「うちのケアマネさん、これって普通なのかな……」
その違和感、たぶん正しいです。
リハウルフ正直に言います。ケアマネジャーの質には、大きな差があります。
素晴らしいケアマネもいます。私が「この人に任せれば大丈夫だ」と心から思える人が。一方で、正直「この人で大丈夫か」と思うケアマネもいます。
そして、その差が、あなたの介護生活を決めます。
まず、2つの事実を知ってください
① ケアマネの利用料は、無料です
居宅介護支援は、介護保険から全額給付されます。利用者の自己負担はありません。お金を払っていないから遠慮する——その必要は、まったくありません。
② ケアマネは、いつでも変更できます
理由も要りません。「合わないから」で十分です。変更は、あなたの権利です。



【最重要】月1回、家に来ていますか?
これが、いちばん分かりやすい判定基準です。
ケアマネジャーは「特段の事情がない限り、少なくとも1か月に1回は、利用者の居宅を訪問して面接する」ことが、国の運営基準で定められています(モニタリング)。
訪問していない場合、事業所は報酬を減算されます。
つまり——「何か月も来ていない」なら、それは異常です。
「忙しいから電話で済ませます」が続いているなら、それはおかしい。親の状態は、会わなければ分かりません。家に上がらなければ、生活は見えません。
私は訪問の現場で、「ケアマネさん、半年見てないわ」という言葉を、何度も聞きました。それは、まともなケアマネジメントではありません。
「これは危ない」ケアマネの7つのサイン
- ① 月1回、家に来ない 前述のとおり。運営基準に反している可能性があります。
- ② 連絡がつかない・折り返しが来ない 緊急時に連絡が取れないケアマネは、致命的です。介護の困りごとは、平日9時5時に発生してくれません。
- ③ 自社のサービスばかり勧める
「囲い込み」の可能性があります。
同じ法人のデイ、同じ法人のヘルパー、同じ法人の福祉用具。全部が同じ法人なら、疑ってください。
「他の事業所も見たいのですが」と言ったときの反応で、分かります。嫌な顔をするなら、危険信号です。 - ④ 本人に、話しかけない
家族とだけ話して、本人には「お元気ですか」だけ。
介護の主役は本人です。本人の希望を聞かないケアマネが作るケアプランは、本人が望まないものになります。 - ⑤ ケアプランが、去年と同じ
親の状態は変わっているはずです。なのにプランが変わらない。
中身を見ずに、前年のコピーを使っている可能性があります。 - ⑥ 「無理です」「できません」しか言わない
制度上できないことは、確かにあります。でも、良いケアマネは代案を出します。
「それは介護保険では無理ですが、こういう方法があります」——これが言えるかどうか。 - ⑦ 家族の限界に、気づかない
これが、いちばん重要かもしれません。
疲れ切った顔をしている家族に、「もう少し頑張りましょう」としか言わない。家族が倒れたら、在宅介護は終わります。そこを見ていないケアマネは、プロとして不十分です。
「この人は当たりだ」と思うケアマネ
逆に、私が一緒に仕事をしていて「この人はすごい」と思うケアマネには、共通点があります。
- 本人の顔を見て、本人に話しかける
「お母さん、何がしたいですか?」——ここから始まります - 家族の顔色を見ている
「ちょっと疲れてませんか?」と気づいてくれる - 他社のサービスも、平気で勧める
本人に合うなら、自社かどうかは関係ない。そう考えられる人 - 「できない」で終わらせず、代案を出す
保険外サービス、自治体の制度、インフォーマルな資源まで知っている - 専門職の意見を聞く
「PTさん、どう思います?」と聞いてくれるケアマネは、間違いなく良い - サービス担当者会議を、形骸化させない
関わる全員を集めて、本音で話し合う場を作れる - レスパイト(家族の休息)を、先に提案してくれる
家族が「限界です」と言う前に、「ショートステイ、使いませんか」と言える人



ケアマネにも「専門分野」があります
意外に知られていませんが、ケアマネには「元の職業」があります。ケアマネは、他の資格を持った人が経験を積んでから取る資格だからです。
| 元・看護師 | 医療に強い。持病がある、医療的ケアが必要な方に心強い |
|---|---|
| 元・介護福祉士 | 生活の実務に強い。現場を知っている |
| 元・社会福祉士 | 制度に強い。複雑な家庭事情や、経済的な問題に強い |
| 元・リハビリ職 | 身体機能に強い。「どこまで自分でできるか」の見立てが的確 |
親の状態に合わせて、選べます。「持病が多くて心配」なら、看護師出身のケアマネを希望していい。これは、遠慮せずに言っていいことです。
※もちろん、出身資格だけで質が決まるわけではありません。あくまで傾向です。
それでも、まず「伝える」ことから
合わないと感じたら、いきなり変更を考える前に、一度、伝えてみてください。
私の経験上、ケアマネが動かないのは「家族が困っていることを知らないから」というケースが、実は多いのです。
こう言ってみてください
「夜、眠れていないんです。ショートステイを使えませんか」
「費用が厳しいんです。減らせるサービスはありますか」
「他のデイも見てみたいのですが。紹介してもらえますか」
言わなければ、伝わりません。ケアマネは、あなたの心を読めません。
それでも動かないなら——そのときは、変えてください。
変更は、あなたの権利です
ケアマネの変更に、理由は要りません。「合わない」で十分です。角が立つのが心配なら、直接言う必要もありません。
- 地域包括支援センターに相談する いちばん角が立たない方法です。「ケアマネを変えたいのですが」と伝えれば、間に入ってくれます。
- 別の居宅介護支援事業所に、直接連絡する 自分で探して、新しい事業所に依頼することもできます。
- 市区町村の介護保険課に相談する 事業所の対応に問題がある場合は、ここへ。
「変えたら、悪いサービスを受けるのでは」——そんなことはありません。
ケアマネを変えても、いま使っているサービス(デイ・ヘルパーなど)は、そのまま続けられます。安心してください。
よくある質問
- ケアマネに、お礼やお中元は必要ですか?
- 不要です。そして、受け取れません。多くの事業所で、金品の受領は禁止されています。気持ちは「ありがとうございます」の一言で、十分すぎるほど伝わります。
- ケアマネに、お金を払っているのですか?
- 払っていません。居宅介護支援は、介護保険から全額給付されるため、利用者の自己負担はゼロです。だからこそ、遠慮する必要はありません。プロとして、正当に仕事をしてもらう権利があります。
- 変更したら、親が混乱しませんか?
- 配慮は必要です。ただし、合わないケアマネと続けるほうが、長期的には本人に不利益です。サービス(デイ・ヘルパー)は変わらないので、本人の生活は大きく変わりません。
- ケアマネが忙しそうで、言い出せません
- それが、ケアマネの仕事です。ケアマネは1人で数十件を担当していて、確かに忙しい。でも、あなたが遠慮して困りごとを言わないと、必要な支援が届きません。それは誰のためにもなりません。「相談したいことがあります」と、はっきり言ってください。
- 担当者会議に、家族は出るべきですか?
- できる限り、出てください。デイの職員、ヘルパー、リハビリ職、福祉用具の担当者。親に関わる全員が集まる、貴重な場です。ここで「実は困っていて」と言えば、全員で対策を考えます。これほど効率のいい場は、他にありません。
まとめ|ケアマネは、あなたの「パートナー」です
- ケアマネの利用料は無料。遠慮する必要はありません
- 月1回の自宅訪問は、運営基準。来ていないなら異常です
- 危険信号は「来ない」「連絡つかない」「自社ばかり」「本人を見ない」
- 良いケアマネは本人と家族の両方を見て、代案を出す
- ケアマネには出身資格による得意分野がある(看護師・介護福祉士・社会福祉士・リハ職)
- まず「伝える」。それでも変わらないなら、変更はあなたの権利
最後に、ケアマネを長年見てきた立場から、ひとつだけ。
良いケアマネに出会えたら、その人を大切にしてください。
介護は、何年も続きます。そのあいだ、あなたの隣に立ち続けてくれる専門職は、ケアマネだけです。
困ったことは、全部言ってください。愚痴でもいい。「もう無理かも」でもいい。それを受け止めて、次の手を打つのが、ケアマネの仕事です。
そして——それができない人なら、変えていいんです。



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参考にした情報(公的機関)
※本記事の制度に関する内容は、2026年7月時点の情報にもとづいています。運営基準やモニタリングの取扱いには「特段の事情」による例外があります。個別の状況については、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターにご確認ください。









