デイサービスの珍しい取り組み10選|「行きたくない」が変わる施設

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「デイサービスなんて行きたくない」

——親がそう言うのは、わがままではありません。

リハウルフ
こんにちは、理学療法士のリハウルフです。通所リハの現場に長くいたので、断言できます。あれは、行きたくなくて当然です。

塗り絵。風船バレー。みんなで童謡。そして体操。

元・会社の役員だった人が、幼稚園のようなことをさせられる。プライドが、耐えられません。「自分はもうこちら側なのか」と、突きつけられるからです。

でも安心してください。いまのデイサービスは、そんなものばかりではありません。

目次

【その前に】「デイサービス」と「デイケア」は別物です

珍しいデイを探す前に、そもそも種類を間違えていないかを確認してください。ここを取り違えているご家族が、本当に多い。

デイサービス
(通所介護)
デイケア
(通所リハビリテーション)
目的生活の支援・社会参加
家族の負担軽減
リハビリ
心身機能の維持回復
どこで民間の事業所など老健・病院・診療所
医師関与しない医師が関与する
リハ専門職必ずいるとは限らないPT・OT・STがいる
リハウルフ
「リハビリをさせたい」なら、デイサービスではなく、デイケアです。ここは間違えないでください。
知らないと、こうなります

「リハビリのつもりでデイサービスに通わせていたけれど、実際は体操とレクリエーションだけだった

デイサービスにも「機能訓練指導員」はいますが、理学療法士や作業療法士とは限りません(看護師や柔道整復師などでも配置できます)。

本格的なリハビリを受けたいなら、医師とリハ専門職がいる「デイケア」を選んでください。

そのうえで——「楽しく通う」ことが目的なら、デイサービスの多様さは、いま驚くほど広がっています。

珍しい取り組みのデイサービス10選

① リハビリ特化型(半日型)

入浴もレクもなし。3〜4時間で、マシントレーニングとリハビリだけ。

「お遊戯が嫌」という男性に、いちばん刺さります。ジムに通う感覚。「介護施設に行く」感が薄いのが最大の強みです。

② 麻雀・将棋・囲碁型

頭を使うゲームが中心。勝ち負けがあるので、真剣になります。

「デイに行く」ではなく「麻雀を打ちに行く」。この言い換えができるだけで、本人の抵抗が消えます。

③ 温泉・大浴場型

広い浴槽、露天風呂のある施設も。「風呂に入りに行く」という動機は、非常に強い。

自宅での入浴介助は、家族の腰を壊す最大の原因です。ここを外注できる意味は、想像以上に大きい。

④ 料理・カフェ型

自分たちで調理する。カフェの店員として接客する施設まであります。

「してもらう」から「する」へ。役割があると、人は元気になります。特に、ずっと家事をしてきた女性に効きます。

⑤ 農業・園芸型

畑で野菜を育て、収穫する。農家だった方、庭いじりが好きだった方に。

土に触れること、太陽を浴びること。生活リズムが整いやすくなります。

⑥ eスポーツ・ゲーム型

ゲームで対戦する。意外に思われますが、高齢者は驚くほど熱中します。

孫との共通の話題ができる、という副産物も。

⑦ 音楽・楽器型

合唱ではなく、楽器演奏やバンド活動をする施設も。

昔やっていた楽器を、また持てる。「あの頃の自分」に戻れる時間は、何よりの薬です。

⑧ 美容・おしゃれ型

ネイル、メイク、ヘアセット。「きれいでいたい」という気持ちは、年齢とは関係ありません。

鏡を見なくなった方が、また鏡の前に立つ。それだけで、表情が変わります。

⑨ お出かけ型

買い物、外食、季節の行事。施設の中にとどまらない。

外出の機会は、閉じこもりを防ぎます。

⑩ 認知症対応型(少人数)

定員が少なく、職員の目が届きやすい。大人数の場所が苦手な方に。

認知症の方は、にぎやかすぎる場所で混乱することがあります。「珍しさ」より「静けさ」が必要な方もいます。

【要注意】「珍しさ」だけで選ぶと、失敗します

ここは、正直に書きます。

特色ある施設に飛びついて、3か月でやめたご家族を、私は何組も見てきました。

見落としがちな3つの落とし穴

① 送迎エリアの外だった

どんなに良い施設でも、送迎してもらえなければ通えません。まず送迎範囲を確認してください。遠い施設は、送迎時間が長くなり、それだけで本人が疲れます。

② 入浴がなかった

リハビリ特化型(半日型)には、入浴がないことが多い。自宅の入浴介助が、家族に丸ごと残ります。ここは事前に必ず確認を。

③ 本人が「合わない」と感じた

麻雀が好きでも、その場の人間関係が合わなければ続きません。デイは「何をするか」と同じくらい、「誰といるか」が大事です。

リハウルフ
珍しさは、あくまで「入口」です。続くかどうかは、送迎・入浴・人間関係で決まります。

珍しいデイの探し方

ネットで検索しても、あまり出てきません。小規模な事業所ほど、ホームページすら持っていないことが多いからです。

  1. ケアマネジャーに聞く(これが最短です) ケアマネは、地域のデイをほぼ全部知っています。そして、パンフレットには載らない情報も持っています。
    「父は麻雀が好きなんです。そういうデイ、ありませんか?」
    この聞き方をしてください。「どこかいいデイありますか」では、無難な提案しか返ってきません。本人の「好き」を、具体的に伝えるのがコツです。
  2. 地域包括支援センターに聞く まだケアマネがいない段階なら、こちら。無料で、中立です。
  3. 介護サービス情報公表システムで調べる 厚生労働省の公式データベース。地域の事業所を、条件で検索できます。広告ではないので、情報が中立です。
  4. 施設検索サイトで探す 比較はしやすいですが、掲載は広告です。上の3つと併用してください。

体験利用で、PTが見ているポイント

必ず、本人を連れて体験に行ってください。パンフレットでは、絶対に分かりません。

そのとき、私が現場で見ているのは、ここです。

見るべきは「プログラム」ではありません
  • 職員が、利用者にどう話しかけているか
    子ども扱いしていないか。敬語か。名前で呼んでいるか
  • 利用者の表情
    ぼんやりテレビを見ているだけの人が、何人いるか
  • 昼寝の時間が、やたら長くないか
    ただ「預かっているだけ」の施設もあります
  • 職員が慌ただしすぎないか
    人手が足りない施設は、事故が起きやすい
  • 本人が、帰りに何と言ったか
    これが最終判断です

施設の質は、設備ではなく「職員」で決まります。ピカピカの新しい施設より、職員が生き生きしている古い施設のほうが、はるかにいい。私は、そう確信しています。

「行きたくない」と言う親への伝え方

  1. 「デイサービス」という言葉を、使わない 「リハビリに行こう」「温泉に行こう」「麻雀しに行こう」。
    言い換えるだけで、抵抗が大きく下がります。嘘ではありません。実際にそうなのですから。
  2. 「私のため」と言う 「お父さんのためだから」は、プライドを刺激します。
    「私が働いている間、家に一人だと心配で仕事にならないの」——助ける側に回してあげてください。
  3. 「1回だけ、体験で」と区切る 「ずっと通う」と思うから、身構えます。「合わなかったら、やめていいから」と、必ず添えてください。
  4. 合わなければ、本当にやめる ここが大事です。約束を破ると、二度と信用されません。デイは、変えられます。1つ目が合わなくても、次があります。
リハウルフ
デイは「合わなければ変えていい」んです。1回で決めなくていい。そこは、遠慮しないでください。

よくある質問

リハビリをさせたいのですが、デイサービスでいいですか?
本格的なリハビリが目的なら、「デイケア(通所リハビリテーション)」を検討してください。医師が関与し、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が配置されています。デイサービスにも機能訓練指導員はいますが、リハビリ専門職とは限りません。ケアマネに「デイケアとデイサービス、どちらが合いますか」と相談してください。
珍しいデイは、料金が高いのですか?
基本的な料金は、介護保険で決まっています(要介護度・時間・事業所規模などで変わります)。特色があるからといって、極端に高くなるわけではありません。ただし食費・おやつ代・実費(材料費など)は別途かかります。「介護保険外で、月にいくらかかりますか」と必ず聞いてください。
週に何回くらい行くものですか?
要介護度と、ケアプラン次第です。週1回から、週5回まで。家族の負担が限界なら、遠慮せず「回数を増やしたい」とケアマネに言ってください。それはわがままではなく、在宅介護を続けるための調整です。
認知症でも、珍しいデイに通えますか?
程度によります。ただし、にぎやかすぎる場所は、かえって混乱を招くことがあります。認知症の方には「珍しさ」より、少人数で落ち着いた「認知症対応型」が合うことが多いです。ケアマネと相談してください。
今のデイが合っていない気がします。変えられますか?
変えられます。ケアマネに「合っていないようなので、変えたい」と伝えてください。遠慮する必要はまったくありません。合わない場所に無理に通わせても、本人が苦しいだけです。

まとめ|本人の「好き」から、探してください

この記事の要点
  • リハビリ目的なら「デイケア」。デイサービスとは別物です
  • 珍しいデイはリハ特化・麻雀・温泉・料理・農業・eスポーツなど多様
  • 「珍しさ」だけで選ぶと失敗します。送迎範囲・入浴の有無・人間関係を確認
  • 探し方はケアマネに聞くのが最短。「父は麻雀が好き」と具体的に伝える
  • 体験ではプログラムより「職員の言葉づかい」と「利用者の表情」を見る
  • 合わなければ、変えていい

デイサービスは、「預ける場所」ではありません。

本人にとっては、週に何度か、家の外に居場所ができるということ。役割ができ、話し相手ができ、笑う理由ができるということ。

そして家族にとっては、その時間、息ができるということです。

だからこそ、本人が「行きたい」と思える場所を探してください。無理やり通わせても、続きません。

リハウルフ
お父さんは、何が好きでしたか? そこから探すのが、いちばんの近道です。

あわせて読みたい

参考にした情報(公的機関)

※本記事の制度に関する内容は、2026年7月時点の情報にもとづいています。事業所の提供内容・料金は地域や事業所により異なります。詳細は担当ケアマネジャー、または各事業所にご確認ください。

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この記事を書いた人

リハウルフのアバター リハウルフ 理学療法士/ケアマネ

理学療法士(2010年取得・16年目)。通所リハビリ、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、介護医療院、回復期リハビリ病棟で勤務。うち12年が在宅の現場で、訪問したお宅は1,000件を超えます。『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック』監著・編集。2026年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。

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