介護で使えるお金の制度|申請しないともらえない7つ【2026年版】

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介護のお金の制度は、ほぼすべて「申請しないともらえません」。

黙っていても、誰も教えてくれません。

リハウルフ
こんにちは、理学療法士のリハウルフです。「知らなかった」だけで損をしているご家族を、何百組と見てきました。

介護の補助金は、20種類以上あります。でも全部を読む必要はありません。

この記事では、金額が大きく、かつ見落とされやすいものから順にお伝えします。上から3つだけ読んでも、十分に元が取れます。

まず、これだけ知ってください
  • 特別障害者手当月30,450円(年36万円超)いちばん見落とされています
  • 高額介護サービス費|上限を超えた分が戻ってくる
  • 障害者控除|要介護なら、税金が安くなる可能性があります

この3つだけで、年間数十万円変わることがあります。

目次

①【最大の見落とし】特別障害者手当|月30,450円

この制度を知らないまま、介護を続けているご家族が、あまりにも多い。

私は現場で、何度も何度も、こう言ってきました。「特別障害者手当、申請しましたか?」——そして、ほぼ全員が「それ、何ですか?」と答えます。

30,450月額
(令和8年4月〜)
365,400年額に換算すると
0申請しなかった
場合
制度名特別障害者手当(厚生労働省)
月額30,450円(令和8年4月より適用)
対象精神または身体に著しく重度の障害があり、日常生活で常時特別の介護を必要とする状態にある、在宅の20歳以上の方
支払時期2月・5月・8月・11月(前月分まで)
所得制限あり(本人・配偶者・扶養義務者の前年所得で判定)
申請先お住まいの市区町村の窓口
リハウルフ
名前に「障害者」と付くので、「うちは介護だから関係ない」と思われがちです。それが、最大の誤解です。
ここが、いちばん大事です

身体障害者手帳を持っていなくても、申請できます。

この手当は、手帳の有無ではなく、「常時特別の介護を必要とする状態か」という国の基準で判定されます。

つまり、介護保険で要介護4〜5相当の重い状態にある方は、該当する可能性があります。

2つの重要な注意点

  • 「在宅」であることが条件です。施設に入所している方は対象外。長期入院の場合も対象外になります
  • 所得制限があります。本人だけでなく、同居する扶養義務者(子など)の所得も見られます

該当するかどうかは、素人判断できません。市区町村の障害福祉課に電話して、「特別障害者手当の対象になるか、判定してもらえますか」と聞いてください。それだけです。

もらえるかもしれないのに、聞かないのは、あまりにもったいない。年36万円です。

②【自動では戻りません】高額介護サービス費

介護保険サービスの自己負担には、月ごとの上限があります。超えた分は、申請すれば戻ってきます。

所得の区分月額の上限
課税所得690万円以上140,100円
課税所得380万〜690万円未満93,000円
市町村民税課税世帯(課税所得380万円未満)44,400円
世帯全員が市町村民税非課税24,600円
前年の合計所得+課税年金収入が80万円以下 など24,600円(世帯)
15,000円(個人)
生活保護を受給している方 など15,000円

初回は、申請が必要です

多くの自治体では、対象になると市区町村から通知が届きます。ただし最初の1回は、こちらから申請書を出す必要があります。

通知を放置している方がいます。あれは「お金が戻りますよ」というお知らせです。必ず出してください。

※対象外の費用があります。食費・居住費・日常生活費・福祉用具購入費・住宅改修費は、この上限の対象になりません。

③【税金が安くなる】障害者控除対象者認定

これも、見落とされている制度の代表格です。

障害者手帳を持っていなくても、要介護認定を受けている方は、市区町村から「障害者控除対象者認定書」を交付してもらえる場合があります。

認定されると、どうなるか

確定申告や年末調整で、障害者控除が使えるようになります。

  • 障害者控除|所得税27万円/住民税26万円の所得控除
  • 特別障害者控除|所得税40万円/住民税30万円の所得控除
  • 同居している特別障害者を扶養している場合は、さらに上乗せがあります

親を扶養に入れている方は、あなたの税金が下がります。

リハウルフ
申請先は市区町村の介護保険課や福祉課。「障害者控除対象者認定書がほしい」と言えば通じます。

過去にさかのぼって申告し直せる場合もあります。「知らずに何年も損していた」というケースは珍しくありません。認定の基準は自治体ごとに異なるので、まず窓口に確認してください。

医療費控除|見落とされている3つの費用

医療費控除は多くの方がご存じですが、「これも対象だったのか」というものが、いくつもあります。

  1. 紙おむつ代 医師の「おむつ使用証明書」があれば、医療費控除の対象になります。おむつ代は、年間で数万円になります。主治医に「おむつ使用証明書を書いてください」と頼んでください。
  2. 介護サービスの自己負担額(一部) 訪問看護、訪問リハビリ、通所リハビリ、ショートステイなど、医療系サービスの自己負担は対象になります。領収書に「医療費控除の対象額」が記載されていることが多いので、確認してください。
  3. 通院にかかった交通費 公共交通機関の運賃は対象。付き添いが必要な場合、付き添った家族の交通費も対象になります。タクシー代も、公共交通機関が使えない事情があれば対象になり得ます。

領収書とレシートは、全部とっておいてください。
「対象かどうか分からないもの」も、捨てないこと。判断は、あとで税務署に聞けばいい。捨ててしまったら、それで終わりです。

介護保険で使える給付

住宅改修費20万円までが対象(自己負担1〜3割)
※工事の「前」に申請が必要。先に工事すると出ません
手すり・段差解消・床材変更など。要介護度が3段階上がるか、転居すれば再度使えます
福祉用具購入費年間10万円までが対象(自己負担1〜3割)
入浴・排泄関連など、レンタルになじまないもの。指定事業者から買わないと対象外です
特定入所者介護サービス費
(補足給付)
施設入所時の食費・居住費が軽減されます
所得が低い方が対象。申請すると「負担限度額認定証」が発行されます
高額医療・高額介護
合算療養費
1年間(8月〜翌7月)の医療費+介護費の合計が上限を超えたら戻る
医療と介護、両方を使っている世帯は必ず確認を
リハウルフ
福祉用具は「指定事業者から買う」のが鉄則。ネット通販で買うと、対象外になります。

働きながら介護する人へ|介護休業給付金

介護休業給付金(雇用保険)
  • 休業中、賃金のおよそ67%が支給されます
  • 対象家族1人につき、通算93日まで
  • 3回まで分割して取得できます
  • 申請は、勤務先を通じてハローワークへ

「仕事を辞めるしかない」と思う前に、必ずこれを確認してください。

あわせて、介護休暇(対象家族1人につき年5日・時間単位で取得可能)も使えます。通院の付き添いに、丸1日の有給を使う必要はありません。

自治体独自の助成(意外と手厚い)

ここは自治体によって内容が大きく違います。「うちの市にはないだろう」と決めつけず、必ず確認してください。

紙おむつの支給・助成現物支給、または購入費の助成。月数千円相当のことが多い
配食サービスの助成1食あたり数百円の補助。安否確認を兼ねます
介護タクシー・移送費の助成助成券の交付など
緊急通報装置の貸与一人暮らし高齢者に無料または低額で貸与
訪問理美容の助成外出が難しい方の散髪代を補助
住宅改修の上乗せ助成介護保険の20万円に、自治体が独自に上乗せ
家族介護慰労金重度の要介護者を在宅で介護する家族に、年額の慰労金(条件が厳しめ)
認知症の見守り・GPS助成GPS端末の購入・利用料を補助
全部まとめて聞ける、魔法の質問

地域包括支援センターに電話して、こう聞いてください。

「介護で使える助成や給付を、全部教えてください」

この一言で、地域で使える制度を、まとめて教えてくれます。無料です。1本の電話で終わります。

申請する順番

  1. まず、地域包括支援センターに電話(無料・1本) 地域の制度を、まとめて教えてもらう。ここが出発点です。
  2. 市区町村で「特別障害者手当」の対象か判定してもらう 重度の介護状態なら、年36万円。いちばん金額が大きい。
  3. 「障害者控除対象者認定書」をもらう 税金が下がります。扶養している家族の税金も。
  4. 高額介護サービス費の申請(通知が来たら必ず出す) 放置しないでください。戻るお金です。
  5. 領収書を全部とっておき、確定申告する 医療費控除。おむつ代は、医師の証明書を忘れずに。

介護費用が、どうしても足りないとき

制度を全部使っても、足りないことがあります。

特に問題になるのが、親が認知症になり、親の預金が引き出せなくなるケースです。本人の判断能力が失われると、銀行口座は事実上凍結されます。親のお金があるのに、親の介護費用に使えない——これが「資産凍結」です。

元気なうちにしか、打てない手があります。成年後見制度や、家族信託。どちらも一長一短があるので、まず情報を集めてください。

よくある質問

特別障害者手当は、要介護認定を受けていれば必ずもらえますか?
いいえ。介護保険の要介護度とは、別の基準で判定されます。「常時特別の介護を必要とする状態」という国の基準に該当するかどうかを、医師の診断書などをもとに市区町村が判定します。該当するかは、窓口で確認してください。また、所得制限があり、施設入所中の方は対象外です。
申請を忘れていました。さかのぼってもらえますか?
制度によります。高額介護サービス費は2年、医療費控除は5年さかのぼれます(更正の請求)。手当類は原則さかのぼれません。気づいた時点で、すぐ申請してください。1日でも早く。
親の年金で足りない分は、子が払わないといけませんか?
法律上、扶養義務はありますが、「自分の生活を犠牲にしてまで」という義務ではありません。まず親の資産と年金の範囲で組み立てるのが原則です。足りない場合は、生活保護や、施設の負担軽減制度(補足給付)という選択肢があります。ケアマネか地域包括に相談してください。
どこに聞けば、全部教えてもらえますか?
地域包括支援センターです。次に担当ケアマネジャー。制度の窓口は市区町村の介護保険課・障害福祉課・税務課に分かれていますが、包括に聞けば整理して教えてくれます。
おむつ代の医療費控除には、何が必要ですか?
医師が発行する「おむつ使用証明書」と、おむつ代の領収書です。証明書は主治医に頼めば書いてもらえます(文書料がかかることがあります)。2年目以降は、市区町村が発行する確認書で代用できる場合があります。

まとめ|聞かなければ、1円も来ません

この記事の要点
  • 特別障害者手当|月30,450円(在宅・重度・所得制限あり)。最大の見落とし
  • 高額介護サービス費|上限超過分が戻る。通知が来たら必ず申請
  • 障害者控除対象者認定|手帳がなくても、要介護なら税金が下がる可能性
  • おむつ代は、医師の証明書があれば医療費控除の対象
  • 住宅改修20万円は、工事の「前」に申請
  • 介護休業給付金|賃金の約67%・通算93日。辞める前に確認を
  • まず地域包括支援センターに電話1本。全部まとめて聞ける

介護のお金の制度は、「知っている人だけが得をする」仕組みになっています。

役所は、教えに来てくれません。こちらから聞かなければ、1円も入ってきません。これは冷たいようですが、そういう仕組みなのだと、割り切ってください。

そして——お金の余裕は、心の余裕になります。

月3万円あれば、月に何度かヘルパーを頼めます。あなたが眠れる日を、作れます。それは、親のためでもあります。

リハウルフ
今日、地域包括支援センターに電話してください。それだけで、変わることがあります。

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参考にした情報(公的機関)

※本記事の制度・金額は2026年7月時点で公的機関の情報を確認したものです。制度は改正され、金額も改定されます。自治体独自の助成は、市区町村により内容が大きく異なります。必ずお住まいの市区町村・地域包括支援センターにご確認ください。

※税制上の取扱いについては、個別の事情により判断が異なります。最終的な判断は、税務署または税理士にご確認ください。

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この記事を書いた人

リハウルフのアバター リハウルフ 理学療法士/ケアマネ

理学療法士(2010年取得・16年目)。通所リハビリ、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、介護医療院、回復期リハビリ病棟で勤務。うち12年が在宅の現場で、訪問したお宅は1,000件を超えます。『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック』監著・編集。2026年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。

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