要介護認定の申請方法|「軽く出すぎない」調査の受け方と手順

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介護保険を使う、いちばん最初の一歩。それが「要介護認定の申請」です。

ここでつまずくと、必要なサービスが、いつまでも使えません。

リハウルフ
こんにちは、理学療法士のリハウルフです。認定調査には何度も立ち会ってきました。だから「通るコツ」も知っています。

「うちの親、介護保険って使えるのかな」——そう思ったら、まず申請です。難しく考えなくて大丈夫。手順はシンプルです。

ただし、「準備」と「調査での伝え方」で、認定結果は大きく変わります。ここを知っているかどうかで、使えるサービスの量が変わるのです。

この記事の結論
  • 申請は無料。代行もしてもらえます(役所に行かなくてもOK)
  • 認定まで原則30日。迷ったら、早めに出す
  • 認定調査には、必ず家族が立ち会う
  • 本人は「できます」と言いがち。家族が「事実」を数字で補う
目次

要介護認定とは|30秒で

要介護認定とは、「どれくらい介護が必要か」を、国の基準で判定する手続きです。介護保険サービスを使うには、この認定が必要です。

非該当(自立)介護保険サービスは使えない
要支援 1・2比較的軽度。介護予防サービスなど
要介護 1〜5数字が大きいほど、重い。使えるサービスの上限額も上がる

全部で7段階+非該当。この区分で、1か月に使えるサービスの量(支給限度額)が決まります。だから、実態に合った認定を取ることが大切なのです。

申請から利用までの流れ

  1. 市区町村の窓口に、申請する 介護保険課などの窓口へ。介護保険被保険者証が必要です(40〜64歳の方は医療保険証も)。
  2. 認定調査を受ける 調査員が自宅に訪問して、本人の状態を調べます。ここが最重要。家族が立ち会ってください。
  3. 主治医意見書が作られる 市区町村がかかりつけ医に依頼します。費用の自己負担はありません。主治医がいなければ、指定医の診察を受けます。
  4. 一次判定・二次判定 調査結果をコンピュータが判定(一次)→ 介護認定審査会が最終判定(二次)。
  5. 結果通知(原則30日以内) 新しい保険証が届きます。有効期間は、新規なら原則6か月です。
  6. ケアプランを作って、サービス開始 要支援は地域包括支援センター、要介護1以上はケアマネジャーが担当します。
リハウルフ
申請から利用開始まで、1か月はかかります。「必要になってから」では、間に合わないこともあります。

申請は「代行」してもらえます

「役所に行く時間がない」「本人を連れて行けない」——大丈夫です。

申請を代行できる人

  • 地域包括支援センター
  • ケアマネジャー(居宅介護支援事業者)
  • 入所している介護保険施設
  • もちろん、家族が本人に代わって申請することもできます

まず地域包括支援センターに電話すれば、申請から全部サポートしてくれます。これが、いちばんラクな方法です。

申請に必要なもの

必須介護保険被保険者証(65歳になると届く緑色の証)
申請書(窓口またはHPで入手)
40〜64歳の方医療保険証も必要
あると良いマイナンバーが分かるもの/かかりつけ医の情報(病院名・医師名)

かかりつけ医の情報は、必ず控えておいてください。主治医意見書を書いてもらう医師です。ここが空欄だと、手続きが止まります。

【最重要】認定調査で「軽く出すぎない」3つのコツ

ここが、この記事でいちばん価値のある部分です。

私は認定調査に何度も立ち会ってきました。そして、毎回、同じ光景を見ます。

現場で毎回起きること

調査員「歩けますか?」
本人「ええ、歩けますよ」——スッと立ち上がって、数歩歩いて見せる。

実際は、家族が毎日支えているのに。

これは、本人が嘘をついているのではありません。他人が来た緊張で、普段よりできてしまう。そして「できない自分」を認めたくない、というプライドもあります。

その結果、介護度は軽く判定され、必要なサービスが使えなくなります。困るのは、家族です。だから、家族がやるべきことがあります。

  1. コツ①|「最悪の状態」を基準に伝える 調子には波があります。調査員が見るのは、その日の1時間だけ。
    「今日は調子がいいですが、週に3日は、朝起き上がれません」と、悪い日を必ず伝えてください。
  2. コツ②|「事実」を、数字で補う 本人を否定せず、事実を付け加える。
    「お風呂は、私が背中を支えて、浴槽をまたぐのを手伝っています」
    「夜中に2回トイレに起きて、そのたびに私が起きています」——回数・頻度・時間を、数字で。
  3. コツ③|介護記録ノートを、準備しておく 調査は1時間。その場で思い出そうとしても、必ず抜けます。
    1週間前から「夜起こされた回数」「失敗(失禁・転倒)」「介助が必要な場面」をメモしておくと完璧です。

本人の前で言えないことは

紙に書いて、調査員に渡してください。「本人の前では言えませんが」と添えて。これは、調査員も慣れています。失禁や暴言など、本人が傷つくことは、この方法で。

リハウルフ
家族が立ち会うかどうかで、結果は本当に変わります。仕事を半日休んででも、立ち会う価値があります。

主治医意見書の「精度」を上げる

判定には、主治医意見書も大きく影響します。でも、医師は診察室での短い時間しか、本人を見ていません。

だから、受診のときに、家族が「家での様子」を医師に伝えておいてください。「家では、こんなことができなくなっています」「夜間、こういう症状があります」と。医師が知らないことは、意見書に書けません。

思った区分が出なかったとき

① 区分変更申請いちばん現実的です。「状態が変わった」として、もう一度申請し直す。結果まで、また約30日
② 審査請求都道府県の介護保険審査会に不服申し立て。結果まで数か月かかり、時間がかかりすぎます

私が勧めるのは①です。審査請求は権利ですが、時間がかかりすぎて、その間に家族が疲弊します。区分変更なら、もう一度、正しく調査を受け直せます。

更新・区分変更のタイミングについては、こちらで詳しく解説しています。
→ 要介護認定の更新はいつ?区分変更を出すベストタイミング

認定を待たずに、サービスを使う方法

「認定に30日もかかるなら、その間どうすれば」——実は、認定の前からサービスを使う方法があります。

「暫定ケアプラン」という仕組みです。ケアマネが仮のプランを組んで、認定結果が出る前から、サービスを使い始めることができます。

ただし、注意点があります。認定結果が予想より軽く出た場合、限度額を超えた分が自己負担になるリスクがあります。使う前に、必ずケアマネに相談してください。

よくある質問

申請にお金はかかりますか?
無料です。申請も、認定調査も、主治医意見書も、自己負担はありません。安心して申請してください。
「まだ元気だから、早いかも」と迷います
迷ったら、出してください。認定が出ても、使わなければいいだけです。逆に、必要になってから申請すると、1か月間サービスが使えません。「大げさかも」と遠慮する必要はありません。
本人が「認定なんて受けたくない」と言います
よくあります。「介護保険料を払ってるんだから、使わないと損だよ」という言い方や、「市役所の手続きだけ」と、”介護”を強調しない伝え方が有効です。まず地域包括支援センターに、対応も含めて相談を。
認定調査に、家族が立ち会えません
せめてメモを用意して、本人か調査員に渡しておいてください。「夜間のトイレは週に何回」「入浴は全介助」など、具体的な事実を箇条書きで。調査日は、家族が立ち会える日に調整してもらえます。頼んでみてください。
どこから手をつければいいか、分かりません
まず、地域包括支援センターに電話してください。「親の介護保険を申請したいのですが」と言えば、申請の代行から、その後のサービス調整まで、全部サポートしてくれます。無料です。

まとめ|正しく申請して、正しい認定を

この記事の要点
  • 申請は無料。地域包括支援センターが代行してくれる
  • 認定まで原則30日。迷ったら早めに出す
  • 認定調査には、必ず家族が立ち会う
  • 本人は「できます」と言いがち。家族が「最悪の状態」を数字で補う
  • 言いにくいことはメモで調査員に渡す
  • 結果に納得できなければ区分変更申請

要介護認定は、介護の「予算」を決める、大切な手続きです。ここで介護度が1つ違うだけで、使えるサービスの量が大きく変わります。

難しく考えないでください。まず、地域包括支援センターに電話1本。あとは、プロと一緒に進めていけます。

そして、調査の日は、本人の隣に座って、「実は、夜中に2回起きています」と伝えてください。その一言が、あなたの介護を、ずっと楽にします。

リハウルフ
遠慮は要りません。事実を、正確に。それが、正しい認定への近道です。

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参考にした情報(公的機関)

※本記事の制度に関する内容は、2026年7月時点の情報にもとづいています。手続きの詳細は自治体により異なる場合がありますので、お住まいの市区町村・地域包括支援センターにご確認ください。

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この記事を書いた人

リハウルフのアバター リハウルフ 理学療法士/ケアマネ

理学療法士(2010年取得・16年目)。通所リハビリ、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、介護医療院、回復期リハビリ病棟で勤務。うち12年が在宅の現場で、訪問したお宅は1,000件を超えます。『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック』監著・編集。2026年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。

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