介護費用の不安、誰に相談する?無料の窓口とFPの正しい順番

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「親の介護、お金が心配。でも、こんなこと誰に相談すればいいの?」——そう思って、結局どこにも相談できずに一人で抱えている方は、とても多いです。

結論からお伝えします。介護費用の不安は、まず「無料の公的窓口」に相談するのが正解です。いきなり有料のファイナンシャルプランナー(FP)に駆け込む必要はありません。順番があります。無料でできることを全部やってから、それでも残る不安をFPで整理する——これが、お金でも損しない相談の進め方です。

私は介護支援専門員(ケアマネ)として、たくさんのご家族の「お金の不安」に向き合ってきました。この記事では、相談先ごとに「何ができて、何ができないか」を整理し、相談する正しい順番をお伝えします。相談先を間違えなければ、漠然とした不安は「具体的な段取り」に変わります。

リハウルフ
こんにちは、介護支援専門員のリハウルフです。お金の不安は「一人で考える」といちばん大きくなります。まず、無料で聞ける相手に話してみてください。
目次

まず結論|相談は「この順番」で

① 地域包括支援センター(無料・最初の窓口)
② ケアマネ・市区町村の窓口(制度を組む・使う)
③ 社会福祉協議会(払えない時の貸付・生活支援)
④ FP(家計全体の見通し・民間保険の見直し)

ポイントは、①〜③はすべて無料だということ。まずここで「使える制度」を出し切ってから、必要なら④のFPで家計全体を整えます。順番を逆にして、いきなりFPに行くと、公的制度の取りこぼしに気づけないことがあります。

なぜこの順番なのか。介護費用の不安には、実は「性質の違う3つの層」があるからです。「制度を知らない不安」は①②で、「お金が足りない不安」は③で、「この先の見通しが立たない不安」は④で、それぞれ解消できます。自分の不安がどの層なのかを意識すると、行くべき窓口が自然に決まります。全部を一つの窓口で解決しようとするから、こじれるのです。

① 地域包括支援センター|まず電話すべき「最初の窓口」

介護のお金で迷ったら、まずここ。地域包括支援センターは、高齢者の暮らしを総合的に支える公的機関で、無料です。保健師・社会福祉士・ケアマネなどの専門職がいて、お金・制度・介護の悩みを幅広く受けてくれます。

地域包括に相談できること

  • 介護費用を軽くする公的制度の案内(高額介護サービス費など)
  • 要介護認定の申請の進め方
  • 「払えないかも」という不安の初期相談・窓口の紹介
  • お金以外の介護全般の悩み

「何を聞けばいいか分からない」状態でも大丈夫。状況を話せば、次にやることを教えてくれます。使い方は地域包括支援センターとは|無料で使える介護の「最初の窓口」で詳しく解説しています。

② ケアマネ・市区町村の窓口|制度を「使う」相談

介護が始まっている(要介護認定済み)なら、担当のケアマネジャーが、お金の相談相手になります。ケアマネは制度の交通整理役。「費用を抑えたい」と伝えれば、サービスの組み方を工夫してくれます。

ケアマネ・役所に相談できること

  • 高額介護サービス費・負担限度額認定など、費用軽減制度の申請
  • 予算に合わせたケアプランの組み直し
  • おむつ助成など、自治体独自の助成制度の案内
  • 介護保険料・利用者負担割合の確認

市区町村の介護保険課の窓口でも、制度の申請や相談ができます。「知っていれば戻ったお金」を取りこぼさないために、遠慮なく聞いてください。使える制度の全体像は介護で使えるお金の制度|申請しないともらえない7つにまとめています。

③ 社会福祉協議会|「払えない」時の相談

「制度を使っても、お金が足りない」——そんな時の相談先が、社会福祉協議会(社協)です。地域の福祉を支える団体で、生活に困った人向けの支援があります。

社協に相談できること

  • 生活福祉資金貸付制度|低所得世帯・高齢者世帯などへの、公的な貸付(借りられる制度)
  • 生活困窮者自立支援|家計や生活の立て直しを一緒に考えてくれる
  • 地域によっては配食・見守りなどの生活支援サービス

「借りる」と聞くと身構えるかもしれませんが、これは公的な低利・無利子の貸付で、消費者金融とはまったく別物です。本当に困る前に相談してください。払えない時の対処の全体像は介護費用が払えない時の対処法|借りる前に使う、公的な支えの全順番で解説しています。

④ FP(ファイナンシャルプランナー)|家計全体を見通す

①〜③で公的にできることをやり切ったうえで、なお「親と自分、両方の老後資金は大丈夫か」という不安が残るなら、FP(ファイナンシャルプランナー)の出番です。FPは、家計・保険・資産をまとめて見て、長期の見通しを立ててくれます。

FPにできることFPにできないこと
親の年金・貯蓄で介護費が回るかの試算介護保険サービスの手配(→ケアマネ)
民間の医療・介護保険が今に合うかの見直し公的制度の申請代行(→役所)
家計全体のライフプラン作成お金の貸付(→社協)
FP相談の注意点

無料のFP相談は、保険の紹介で成り立っているモデルが多い。有益ですが、勧められた保険をその場で即決しないこと。FPの意見は「決めてもらう」ためでなく「自分の判断材料を増やす」ために使うのが正解です。

リハウルフ
FPは家計の専門家、ケアマネは介護の専門家。役割が違います。両方を上手に使い分けるのが、お金の不安をいちばん小さくするコツです。

認知症が絡むお金|「凍結」への専門相談

もう一つ、相談先を知っておくべき分野があります。認知症による「口座凍結」です。親の判断能力が落ちると、たとえ親名義に十分な貯蓄があっても、家族が引き出せなくなることがあります。介護費を子が立て替える羽目になる、深刻な問題です。

この備えには成年後見制度や家族信託がありますが、家族信託などは親の判断能力があるうちにしか手続きできないものが多い。制度が専門的で、自分たちだけで判断するのは難しい領域です。心配なら、資産凍結対策に詳しい専門家に、早めに一度相談しておくと安心です。無料相談から始められるサービスもあります。

その他の相談先も知っておく

  • かかりつけ医・病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)|入院中の費用や退院後の相談
  • 民生委員|地域の身近な相談役。どこに相談していいか分からない時に
  • 自治体の電話相談窓口|「高齢者安心電話」など、24時間対応のところも
  • 生活福祉資金の相談コールセンター|貸付制度の一般的な問い合わせ

「どこに相談すればいいか、それすら分からない」なら、まず地域包括支援センターか民生委員に一言。そこから適切な窓口につないでもらえます。相談先は一つに絞る必要はありません。介護のお金は、複数の窓口を組み合わせて支えるのが普通です。「ここはお金の貸付」「ここは制度の申請」と役割で覚えておけば、必要なときに迷わず動けます。

相談の前に、これだけ準備する

どの窓口に行くにも、次の3つをざっくり用意しておくと、相談がぐっとスムーズになります。

  • ① 親の「入ってくるお金」年金の月額(振込通知書で確認)、その他の収入。
  • ② 親の「貯えと資産」預貯金・保険のおおよそ。正確でなくてOK、ざっくりで十分。
  • ③ 今かかっている・かかりそうな費用介護サービス費、医療費、施設を考えているならその費用感。

実際にいくらかかるのか、年金で足りるのかを具体的に出したい方は、親の介護費用が不安なあなたへ|“542万円”に怯えないお金の守り方で、月額の出し方とお金の守り方を解説しています。相談前の「見える化」に役立ててください。

よくある質問

まず、どこに相談すればいいですか?
地域包括支援センターです。無料で、お金も制度も介護全般も相談でき、必要なら適切な窓口につないでくれます。介護が始まっているなら、担当ケアマネでもOKです。
FPに相談すればすべて解決しますか?
FPは家計・保険の専門家ですが、公的制度の申請や介護サービスの手配はできません。まず無料の公的窓口で制度を使い切り、残る家計の不安をFPで整理する順番がおすすめです。
お金を借りる相談はどこで?
社会福祉協議会(社協)です。生活福祉資金貸付制度など、低所得世帯・高齢者世帯向けの公的な貸付があります。消費者金融に行く前に、まず社協へ。
相談は無料ですか?
地域包括支援センター・ケアマネ・役所・社協はすべて無料です。FPも無料相談を提供するサービスが多くあります。まず無料の窓口から始めてください。

まとめ|正しい順番で相談すれば、不安は小さくなる

この記事の要点

  • 介護費用の不安は、まず無料の「地域包括支援センター」へ。
  • ケアマネ・役所で、費用を軽くする制度を使い切る。
  • 払えない時は社会福祉協議会(社協)の貸付・生活支援を相談。
  • 家計全体の見通しは、最後にFPで。保険の即決はしない。
  • 認知症の口座凍結は、判断能力があるうちに専門相談を。

お金の不安の正体は、たいてい「一人で抱えて、誰にも話せていないこと」です。相談先には正しい順番があり、その多くは無料。まず地域包括支援センターに電話一本かけるだけで、「次にやること」が見えてきます。抱え込まず、頼れる窓口に話すところから始めてください。

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参考にした情報(公的機関)

※本記事は2026年7月時点の情報にもとづく一般的な相談先の案内です。制度の対象要件や窓口はお住まいの市区町村により異なります。詳細は各窓口・お住まいの市区町村にご確認ください。

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この記事を書いた人

リハウルフのアバター リハウルフ 理学療法士/ケアマネ

理学療法士(2010年取得・16年目)。通所リハビリ、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、介護医療院、回復期リハビリ病棟で勤務。うち12年が在宅の現場で、訪問したお宅は1,000件を超えます。『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック』監著・編集。2026年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。

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