保険で頼めない介護は自費ヘルパーで|料金と賢い使い方

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「ヘルパーさんに、ついでにこれもお願いしたいのに断られた」「同居している私がいると、親の家事を頼めないって本当?」——在宅介護をしていると、こうした介護保険の“できないこと”に必ずぶつかります。

結論から言います。介護保険の訪問介護は「親本人の自立支援」に用途が限られていて、家族のための家事や、生活に必須でないことは頼めません。その穴を埋めるのが、自費で頼む保険外サービス(プライベートヘルパー)です。

ただし、なんでも自費で頼むと費用は青天井。私はケアマネとして、「保険で頼めること」と「自費で埋めるべき穴」の線引きを、たくさんのご家庭で整理してきました。この記事では、保険でできない理由保険外の料金の現実、そして損しない賢い使い方を、正直にお伝えします。

リハウルフ
こんにちは、介護支援専門員のリハウルフです。「保険外は高い」は半分正解。使いどころを絞れば、家族を守る心強い味方になります。
目次

なぜ介護保険では頼めないのか|3つの制限

まず、「意地悪で断られている」わけではないことを知ってください。介護保険の訪問介護には、制度上の明確な制限があります。

  • ① 本人の自立支援が目的サービスは「利用者本人」のためだけ。家族の分の調理・洗濯・買い物、来客のお茶出しなどは対象外です。
  • ② 生活に必須でないことはNG草むしり・庭の手入れ・大掃除・ペットの世話・年末の特別な料理など、「日常生活に必ずしも必要でないこと」は頼めません。
  • ③ 同居家族がいると生活援助が制限される家事ができる家族が同居していると、原則、生活援助(掃除・調理等)は使えません(家族が病気・障害・日中不在などの例外あり)。

なぜこんな制限が?

介護保険はみんなの保険料と税金で成り立つ公的制度。だから「本人の自立支援」に用途を絞り、公平性を保つ必要があります。ヘルパーさんが冷たいのではなく、制度のルールなのです。

訪問介護で頼めること・頼めないことの詳しい線引きは、ケアマネに確認するのが確実です。まずは「保険で頼めることを最大限使う」のが大前提。そのうえで残る穴を、保険外で埋めます。

保険外サービス(プライベートヘルパー)とは

保険外サービスは、介護保険を使わず全額自費で頼むヘルパーサービスです。介護保険のような制限がないぶん、「本人以外」「生活に必須でないこと」「同居家族がいてもOK」と、頼める範囲が一気に広がります。

できること介護保険保険外(自費)
本人の身体介護・生活援助
家族の分の家事、来客対応
草むしり・大掃除・ペットの世話
通院の付き添い・院内での見守り△(制限あり)
趣味の外出・旅行の同行
急な依頼・長時間の見守り

料金の現実|「思ったより高い」の内訳

ここは正直にお伝えします。保険外は全額自費なので、介護保険の1〜3割負担とはケタが違います。相場を知っておきましょう。

2,800円〜1時間あたりの目安(下限)
4,000手厚いケアの場合の1時間目安
交通費・加算などが上乗せ

見落としやすい「追加費用」

  • 交通費・移動費(1回1,000円前後のことも)
  • 早朝・夜間・土日祝の加算
  • ヘルパーの指名料
  • 直前依頼の割増
  • 最低利用時間(1回2時間以上など)の設定

「時給2,800円だと思ったら、交通費と加算で1回1万円近くになった」というのはよくある話。だからこそ、保険外は”使いどころを絞る”のが鉄則です。次章で、その判断軸をお伝えします。

リハウルフ
料金表の「時間単価」だけ見ないこと。交通費・加算・最低時間まで含めた「1回いくら」で比べるのが、失敗しないコツです。

損しない使い方|「保険で埋まらない穴」だけに絞る

保険外を賢く使うコツは一つ。全部を自費で頼まないこと。まず介護保険サービスを最大限に使い、それでも埋まらない穴だけを保険外で補います。

賢い使い方の順番

  • ①まずケアマネに相談し、保険で頼めるサービスを組めるだけ組む
  • ②残った穴を書き出す(例:平日日中の見守り、通院の院内付き添い)
  • ③その穴だけを保険外でピンポイントに埋める

この順番を守れば、費用を抑えつつ「本当に困る場面」だけをカバーできます。保険と自費は敵対するものではなく、組み合わせて使うものだと考えてください。

もう一つ大事なのは、「毎日頼む」より「ここぞで頼む」という発想です。保険外を毎日使えば、当然、費用はふくらみます。そうではなく、「自分がどうしても動けない日」「親の状態が不安定な時期」に集中して使う。月に何回まで、予算はいくらまでと先に決めておくと、使いすぎを防げます。家計と相談しながら、無理のない範囲で頼るのが長続きのコツです。

保険外が本当に効く「5つの場面」

現場で「保険外を使ってよかった」と言われるのは、だいたい次の場面です。

① 通院の付き添い・院内での見守り

介護保険では、病院内の付き添いは原則として算定されにくく、家族が対応を求められがち。仕事を休めない日の通院同行は、保険外の出番です。

② 仕事や外出で家を空ける日の見守り

「自分が仕事の日、日中の数時間だけ親を見てほしい」。介護保険の細切れ時間では埋めにくい穴を、保険外なら長めの見守りでカバーできます。

③ 遠距離介護のスポット対応

離れて暮らす親に、急ぎで様子を見に行ってほしい・買い物を頼みたい。当日対応できる保険外サービスは、遠距離介護の心強い保険になります。

④ 家族の休息(レスパイト)

介護する家族が休むために親を数時間みてもらう。「自分が倒れない」ための投資と考えれば、決して高くありません。

⑤ 退院直後・看取り期の集中支援

退院直後で介護保険の手配が間に合わない時期や、手厚いケアが必要な看取り期。保険の枠を超えた集中的な支援を、一時的に足せます。

こうした「保険で埋まらない穴」を、当日・スポットで頼めるのが保険外サービスの強み。24時間365日・当日対応・アプリ予約に対応した専門サービスもあり、いざという時に頼れます。まずどんな時に頼めて、いくらかかるのかを知っておくだけでも、心の余裕が違います。

具体的なサービスの評判や使いどころはイチロウの評判は?高い保険外サービスを「使うべき5つの場面」で詳しく解説しています。家事中心で頼みたいなら在宅介護の家事代行|“保険で頼めない家事”を任せる選び方もあわせてどうぞ。

どこで頼める?保険外サービスの探し方

保険外サービスは、大きく分けて3つの入口があります。頼みたい内容によって、向き先が変わります。

頼み先向いている内容
今の訪問介護事業所の自費メニューすでに来ているヘルパーに、保険外の付き添い等を追加
保険外専門のヘルパーサービス通院同行・見守り・当日/スポット対応・遠距離のカバー
家事代行サービス掃除・料理・買い物など家事中心の困りごと

今の事業所に自費メニューがあれば、慣れた顔なじみのヘルパーに頼めて安心です。ただし対応範囲が限られることも多く、通院同行や当日依頼には専門サービスのほうが柔軟です。まずはケアマネに「保険外も使いたい」と伝え、地域の選択肢を教えてもらうのが早道です。

利用時の注意点

  • 料金は「1回いくら」で比較(交通費・加算・最低時間を含めて)
  • 依頼内容を具体的に伝える(「見守り2時間」「通院同行」など)
  • 事業者の実績・損害賠償保険の加入を確認する
  • 継続利用なら、月の予算上限を決めておく
  • ケアマネに「保険外も併用したい」と共有しておくと連携がスムーズ

よくある質問

同居している私がいると、親の家事はヘルパーに頼めませんか?
介護保険の生活援助は原則使えません。ただし家族が病気・障害・日中不在などの事情があれば認められる場合があります。判断はケアマネに相談を。制限に関係なく頼みたいなら保険外が選択肢です。
保険外サービスは介護保険と併用できますか?
できます。むしろ併用が基本です。保険で頼めることは保険で、埋まらない穴だけ保険外で、という使い分けが費用を抑えるコツです。
草むしりや大掃除も頼めますか?
介護保険では頼めませんが、保険外(自費)なら可能です。家事代行サービスも選択肢になります。
料金の相場はどのくらいですか?
1時間あたり2,800〜4,000円程度が目安で、これに交通費や早朝・夜間の加算が上乗せされます。「1回あたりの総額」で比較してください。

まとめ|保険外は「家族を守る保険」

この記事の要点

  • 介護保険は「本人の自立支援」限定。家族の分・草むしり・同居時の家事は頼めない。
  • その穴を全額自費で埋めるのが保険外(プライベートヘルパー)。
  • 料金は1時間2,800〜4,000円+交通費・加算。「1回いくら」で比較する。
  • 全部自費にせず、まず保険を最大限使い、残る穴だけ保険外で埋める。
  • 通院同行・仕事の日の見守り・遠距離・レスパイト・看取り期に効く。

保険外サービスは「ぜいたく」ではありません。家族が倒れないための、いわば“家族保険”です。介護をひとりで抱え込み、共倒れになる前に、「ここは人に頼る」と決めてしまう。その線引きさえできれば、在宅介護はぐっと続けやすくなります。まずはケアマネに、保険で頼めることを整理してもらうところから始めてください。

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参考にした情報(公的機関)

※介護保険で頼める範囲は、利用者の状況やケアプランによって個別に判断されます。本記事は2026年7月時点の一般的な考え方です。料金は事業者により異なり、あくまで目安です。実際の可否・料金は、ケアマネジャーおよび各事業者にご確認ください。

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この記事を書いた人

リハウルフのアバター リハウルフ 理学療法士/ケアマネ

理学療法士(2010年取得・16年目)。通所リハビリ、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、介護医療院、回復期リハビリ病棟で勤務。うち12年が在宅の現場で、訪問したお宅は1,000件を超えます。『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック』監著・編集。2026年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。

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