介護シューズおすすめ7選|むくむ足で選ぶ転倒予防の靴

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親が家の中でつまずくようになった。外を歩くのがおぼつかない。玄関で靴を履くのに、ふらついてヒヤッとする——こうした「歩き」の不安に、じつは靴選びが大きく関わっていることは、あまり知られていません。

介護シューズは、数千円で買える「いちばん手軽な転倒対策」です。ただし、選び方を間違えると逆効果になります。とくに見落とされがちなのが、高齢者の足は「サイズが変わる」という事実です。

私は理学療法士として16年、たくさんのご高齢の方の歩行を見てきました。合わない靴のせいで歩かなくなった方も、靴を変えただけで外出が増えた方も、どちらも現場で経験しています。この記事では、失敗しない選び方現場で効いたおすすめ7足、そして「買ったのに履いてくれない」を防ぐコツまでお伝えします。

目次

結論:介護シューズは「足のサイズは変わる」前提で選ぶ

先に、いちばん大事なことを言います。高齢者の足は、むくみや左右差で、日によって・時間によってサイズが変わります。だから「昔と同じサイズ」で選ぶと合いません。ここを踏まえるかどうかで、靴選びの成否が大きく変わります。

この記事で分かること

  • 普通の靴ではなく介護シューズが必要な理由
  • 失敗しない選び方5つのポイント
  • むくみ・左右差でサイズが変わる問題への対応
  • 現場で選ばれるおすすめ7足と、履いてもらうコツ
「前は23.5cmだったから」で選ぶと、たいてい失敗します。今の足で、しかもむくんだ状態を基準にしてください。

なぜ普通の靴ではダメなのか

加齢とともに、歩き方も足の形も変わります。若い頃に合っていた靴が、今の足には合わなくなっているのです。おもな理由は3つです。

  • すり足になる:足が上がりにくくなり、わずかな段差やカーペットの縁でつまずく
  • 足がむくむ・変形する:幅が広がったり、外反母趾などで形が変わり、普通の靴だと当たって痛い
  • かがむのがつらい:靴ひもを結ぶ動作そのものが転倒のリスクになる

介護シューズは、この3つに対応した設計になっています。つまずきにくく、痛くなく、かがまず履ける——これが普通の靴との違いです。

意外に思われるかもしれませんが、「靴下だけ」「スリッパ」で室内を歩くのは、高齢者にとってかなり危険です。靴下はフローリングで滑りやすく、スリッパは脱げやすいうえ、つま先が引っかかって前のめりに転ぶことがあります。私が訪問した先でも、「家の中で滑って転んだ」「スリッパが脱げて踏み外した」というケースは珍しくありません。室内こそ、足元を軽い介護シューズで固めておく意味があります。

介護シューズの選び方|5つのポイント

軽いこと(片足200g前後を目安に)

重い靴は足を持ち上げるのに力がいり、すり足の人ほどつまずきます。手に持って「軽い」と感じるものを選びます。

つま先が反り上がっている

つま先が少し上向き(トゥスプリング)だと、すり足でも引っかかりにくくなります。転倒予防の要です。

ソールが滑りにくい

ゴム底で凹凸のあるものを。濡れた路面やフローリングでのグリップが、転倒のリスクを左右します。

面ファスナー(マジックテープ)で開きが大きい

かがまず片手でも着脱でき、大きく開くほど足を入れやすい。むくんだ足でも調整がききます。

かかとがしっかりしている

かかとが柔らかすぎると踏んで歩いてしまい危険。ある程度の硬さと、履かせやすい大きな履き口の両立が理想です。

【現場でいちばん見落とされる】むくみと左右差でサイズは変わる

ここが、多くのシューズ記事が踏み込まない部分です。ご高齢の方の足は、次のようにサイズが一定ではありません

サイズが変わる3つのパターン

  • 時間帯で変わる:朝はむくみが少なく、夕方はむくむ。夕方きつくなる靴は失敗
  • 左右で違う:片方だけむくむ、麻痺で左右差がある。両足が同じサイズとは限らない
  • 日によって変わる:体調・水分・気温でむくみの程度が変わる

だから、こう選ぶ

  • むくみやすい夕方の足に合わせる。きついより、面ファスナーで詰められる少しゆとりを
  • 左右のサイズが違うなら、大きいほうの足に合わせる
  • 左右差が大きい場合は、片足ずつ・左右別サイズで買える商品を選ぶ(後述)
  • できれば実店舗で、むくんだ時間帯に試し履きする
「両足そろって同じサイズ」は、高齢者では当たり前ではありません。片足だけ大きい人、本当に多いんです。

状態別|合う介護シューズの選び方

親の状態向いているタイプ
自分で歩ける・外出する屋外用の軽量・滑り止めソール。撥水加工だと雨の日も安心
むくみ・変形が強い幅広(3E〜)・大きく開く面ファスナー・柔らかい素材
片麻痺・左右差がある左右別サイズ・片足販売に対応した商品
室内中心で過ごす室内用の軽い介護シューズ。靴下やスリッパより安全

介護シューズおすすめ7選

現場で選ばれることが多い定番を中心に、タイプ別に紹介します。足の状態は人それぞれなので、「順位」より「どの状態に合うか」で選んでください。サイズ・幅は商品ページで必ず確認を。

なお、介護シューズといえば徳武産業の「あゆみ」シリーズが定番として広く使われています。サイズ展開(とくに幅の種類)が豊富で、左右で違うサイズや片足だけの購入にも対応している点が、高齢者の足に向いています。まず1足目で迷ったら、あゆみシリーズから選ぶと外しにくいです。

商品こんな人に
あゆみ ダブルマジックIII(徳武産業)迷ったらこれ。面ファスナー2本で調整幅が広い定番
あゆみ エスパド(徳武産業)見た目すっきり。外出用にも使いやすい
ムーンスター Vステップリハビリシューズの定番。安定感を重視する人に
あゆみ パステル(徳武産業)やわらかく軽い。むくみ・変形が気になる人に
室内用 あゆみ家の中の転倒が心配。スリッパ代わりに
左右別サイズ・片足対応シューズ(徳武産業)左右差が大きい・片麻痺のある人に
防水・滑り止め介護シューズ雨の日も外出する・屋外を歩く人に

介護シューズの正しい履き方

いい靴も、履き方を間違えると効果が半減します。介助するときのコツです。

  • 座って履く。立ったまま片足立ちは転倒のもと
  • 面ファスナーを全部開き、履き口を広げてから足を入れる
  • かかとをトントンと合わせてから、面ファスナーを留める
  • 指先に少しゆとりがあるか、面ファスナーがきつすぎないかを確認

「買ったのに履いてくれない」を防ぐ

せっかく買っても、下駄箱で眠ってしまう介護シューズは少なくありません。「本人のためを思って買ったのに使ってくれない」——ご家族からよく聞く悩みです。ただ、履かないのには必ず理由があります。現場で見てきた「履いてもらえない理由」と対策を整理します。

履かない理由対策
「いかにも介護用」で嫌スニーカー風・普通に見えるデザインを選ぶ
きつい・当たって痛いむくんだ状態で選び直す。幅広・柔らかい素材へ
脱げる・不安定で怖いかかとが安定した形に。サイズが大きすぎないか確認
履くのが面倒大きく開く面ファスナー型に。着脱の負担を減らす
「合わない靴」は履かないだけでなく、歩く意欲そのものを削ります。足元が変わると、外に出る回数が変わりますよ。

購入時の注意点

  • サイズ・幅は必ず今の足で確認。ネット購入は返品・交換の可否をチェック
  • 介護シューズは、原則として介護保険の対象外(消耗品扱い)。ただし、医師が必要と認めた治療用の装具(整形靴など)は、医療保険の療養費の対象になる場合があります。該当しそうなら主治医に相談を
  • 室内用と屋外用は用途が違う。使う場所に合わせて選ぶ

よくある質問

サイズは大きめと小さめ、どちらがいい?
大きすぎると靴の中で足が滑って不安定になり、逆に危険です。「むくんだ状態でちょうど、面ファスナーで詰められる少しのゆとり」が目安。小さくてきついのは論外です。
室内でも靴を履かせたほうがいい?
転倒が心配な方には、室内用の介護シューズがおすすめです。靴下やスリッパは滑りやすく、脱げやすいため、かえって転倒のもとになることがあります。
左右で足の大きさが違います。どうすれば?
左右別サイズや片足販売に対応した商品があります(徳武産業のあゆみシリーズなど)。大きいほうに無理に合わせて片方がぶかぶか、という状態を避けられます。

まとめ|足元を変えると、歩きが変わる

介護シューズは、数千円でできるいちばん手軽な転倒対策です。ポイントを整理します。

  • 「昔のサイズ」で選ばない。むくんだ今の足を基準に
  • 軽い・つま先反り・滑り止め・大きく開く面ファスナー・安定したかかと
  • 左右差があるなら、左右別サイズ・片足販売を活用
  • デザインや履き心地にこだわり、「履いてもらえる」一足を選ぶ

足元が安定すると、歩く自信が戻り、外出が増える方もいます。転倒による骨折は、その先の生活を大きく変えてしまいます。まずは一足、今の足に合う靴から始めてみてください。

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※本記事は一般的な情報提供です。介護保険・医療保険の適用は、お住まいの自治体・主治医・ケアマネジャーによって取り扱いが異なる場合があります。詳しくは各窓口にご確認ください。内容は2026年7月時点の情報にもとづいています。

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この記事を書いた人

リハウルフのアバター リハウルフ 理学療法士/ケアマネ

理学療法士(2010年取得・16年目)。通所リハビリ、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、介護医療院、回復期リハビリ病棟で勤務。うち12年が在宅の現場で、訪問したお宅は1,000件を超えます。『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック』監著・編集。2026年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。