「親の介護で疲れて、自宅の掃除まで手が回らない」「実家の冷蔵庫が悲惨…」「働きながら介護で、もう時間がない」──在宅介護を続ける家族の多くが、 「家事と介護の両立で限界」 という壁にぶつかります。
私はケアマネジャーとして、ご家族から「家事代行を使うのは贅沢ですか?」と相談されることがよくあります。結論:贅沢ではなく、家族が倒れないための「投資」 です。月1〜2万円で家族の体力・時間が守られるなら、絶対に使うべき。
この記事では、現役ケアマネとして、家事代行サービスの活用法・介護保険サービスとの違い・大手サービスの比較・依頼のコツを解説します。
家事代行と介護保険サービスの違い
まず、よく混同される2つを区別しましょう。
介護保険の「訪問介護(生活援助)」
できること
- 親本人の食事準備
- 親本人の洗濯
- 親本人の部屋の掃除
- 親本人の買い物
できないこと
- 家族の食事準備
- 家族の部屋の掃除
- 来客対応
- 草むしり・大掃除
- 庭の手入れ
介護保険は「親本人の日常生活」のみ対応 。
家事代行サービス
できること
- 家族の家事も含めた すべての家事
- 大掃除・特別清掃
- 来客対応
- 庭の手入れ・草むしり
- お墓参り代行(業者による)
家事代行は「制限なし」 。家族の家事も依頼可能。
使い分けの基本
- 親本人のケア=介護保険サービス
- 家族の負担軽減=家事代行
- 両方を組み合わせる のが理想
家事代行を使うべき5つのタイミング
「いつから使えばいい?」の目安。
タイミング① 介護を始めた最初の1ヶ月
要介護認定の手続き、ケアマネ選び、施設見学などで時間がない時期。家事代行で「自分の家のこと」を外注 して、介護準備に集中。
タイミング② 仕事と介護の両立で疲弊した時
「平日仕事・週末通い」のリズムで、自分の家のことが回らない。家事代行を週1回入れるだけで、生活が回り始める。
タイミング③ 遠距離介護で帰省できない時
実家に帰れない時に、 実家の家事を家事代行に依頼 。冷蔵庫の整理・掃除・植物の水やりなど。
タイミング④ 親の入院・退院前後
入院中の親の家の管理(郵便物・植物・冷蔵庫の整理)、退院前の自宅清掃などに大活躍。
タイミング⑤ 介護うつのサインが出た時
「自分のことすら何もしたくない」状態は危険信号。家事代行で生活を回しつつ、心療内科や相談機関へ 。
家事代行サービスの料金相場
1時間あたりの料金
大手サービス
- ダスキン メリーメイド:4,000〜6,000円/時
- ベアーズ:3,500〜5,500円/時
- カジー:2,400〜3,000円/時
- タスカジ:1,500〜2,500円/時
大手と個人マッチング型の差
大手は研修・保険完備で安心感◎。個人マッチング型はコスパ◎だが、当たり外れあり。
月額の目安
週1回・3時間プラン
- 大手:月5〜7万円
- マッチング型:月2〜4万円
月2回・3時間プラン
- 大手:月3〜4万円
- マッチング型:月1.5〜2万円
スポット利用
- 1回1〜2万円から
おすすめの家事代行サービス4選
1. ダスキン メリーメイド
最大手の安心感 。
特徴
- 研修制度がしっかり
- 損害保険完備
- 全国展開
- 高齢者対応経験豊富
料金
1時間4,000〜6,000円(地域・プランによる)
こんな方におすすめ
- 安心感を最優先
- 高齢の親宅に依頼したい
- 実家のスポット清掃
2. ベアーズ
家事代行業界トップクラスの実績 。
特徴
- 細やかなサービス
- 教育プログラム充実
- 全国対応
- 家事代行のパイオニア
料金
1時間3,500〜5,500円
3. カジー(CaSy)
WEB完結のスマート家事代行 。
特徴
- スマホで簡単予約
- 大手より割安
- 都心部に強い
- ブラックボックス感が少ない
料金
1時間2,400〜3,000円
4. タスカジ
個人マッチング型 。
特徴
- 業界最安値クラス
- スタッフを指名予約可能
- リピート率高い
- 都心部限定
料金
1時間1,500〜2,500円
介護中の家事代行|依頼内容のコツ
家事代行に「何をお願いするか」が成果を左右します。
依頼すべき家事の例
介護中の家族の自宅
- 掃除(リビング・キッチン・お風呂)
- 洗濯
- 買い物
- 食事の作り置き
- 食器洗い
親の自宅(遠距離介護)
- 郵便物の確認
- 冷蔵庫の整理(賞味期限切れ食材廃棄)
- 植物の水やり
- 季節物の入れ替え(衣替え)
大掃除・季節対応
- エアコン清掃
- 換気扇掃除
- 大掃除(年末年始)
- 草むしり・庭木の手入れ
効率を上げるコツ
コツ① 家事リストを作っておく
スタッフ来訪前に「今日やってほしいことリスト」を作成。優先順位も明示。
コツ② 道具・洗剤を揃える
スタッフが持参するサービスもあるが、自宅の使い慣れた道具を揃えておくとスムーズ。
コツ③ 定期利用で同じスタッフに
毎回違うスタッフだと毎回説明が必要。定期利用+同じスタッフ指名 が効率最大。
親の家に家事代行を入れる時の注意点
「親の家に他人を入れる」ことへの抵抗感は理解できます。注意点を3つ。
注意① 親の意向確認
「家族以外の人に家を見られたくない」という親も多い。事前に親に説明し、同意を得る こと。
注意② 貴重品の管理
家事代行スタッフは信頼できますが、念のため貴重品は施錠 or 別保管。
注意③ 信頼できる業者を選ぶ
大手サービスは身元確認・研修・保険完備で安心。個人マッチング型はレビューを慎重にチェック。
「介護保険外」サービスとの組み合わせで家族を守る
家事代行以外にも、介護中の家族をサポートするサービスは多数あります。
配食サービス
- やわらかダイニング
- シニアあんしん相談室
- ワタミの宅食
- → 食事準備の手間ゼロ
食材宅配
- オイシックス
- パルシステム
- → 買い物時間ゼロ
介護タクシー
- 通院・外出時の家族の付き添い時間ゼロ
生協の見守りサービス
- 配達員が安否確認
オンライン診療
- 親の通院付き添いゼロ
これらを組み合わせて、 家族の時間を最大限確保 。
「家事代行=贅沢」という誤解を捨てる
家族介護者の多くが「家事代行は贅沢」「自分が頑張ればいい」と思っています。でも:
月1万円の家事代行で:
- 月10時間の家族時間を取り戻せる(時給1,000円換算で1万円分)
- 介護うつ・体調不良の予防
- 仕事のパフォーマンス向上
- 家族関係の改善(時間的余裕)
コスパで考えても、絶対にプラス 。
「家族のため」も「親のため」
家族が倒れたら、親も困ります。家族の健康を守ることが、親への最大の親孝行 。
詳しくは「介護うつのサインと対処法」「介護離職を防ぐ7つの工夫」記事を。
家事代行を始める3ステップ
ステップ① まず1回お試し利用
スポット利用で、サービスの質を確認。
ステップ② 良かったら定期契約
週1〜月2回程度の定期契約で、生活リズムに組み込む。
ステップ③ 状況に応じて回数調整
繁忙期は増やす、落ち着いたら減らす、と柔軟に。
まとめ|「家族が休む」ことが介護を続けるコツ
在宅介護は長期戦。家族が無理すると必ず崩壊します。家事代行への投資は「家族保険」 と考えましょう。
🍀 家事代行 活用5原則 ① 介護保険(親のケア)と家事代行(家族の家事)を使い分ける ② 月1万円から始める ③ 大手サービスで安心感重視 ④ 定期利用+同じスタッフが効率◎ ⑤ 「贅沢」ではなく「家族保険」と考える
家事代行+宅配弁当+介護保険サービスの組み合わせで、家族の時間と体力が守れます。これが在宅介護を 何年も続けるコツ です。
