排泄ケア|失禁の原因とリハビリパンツ・パッドの選び方【PT解説】

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「親がトイレに間に合わなくなってきた」「夜中の失禁が増えて、本人も家族も眠れない」「リハビリパンツを使いたいけど、本人が嫌がる」──排泄ケアは、家族介護の中でも特にデリケートで、心身ともに大きな負担になる部分です。

私はケアマネジャー&理学療法士として、何百件もの排泄ケアの相談を受けてきました。排泄ケアは、本人と家族の双方の尊厳を守ることが最優先 。良い道具と正しい知識があれば、家族の負担は大きく減らせます。

この記事では、PT&ケアマネとして、失禁の原因・リハビリパンツとパッドの選び方・本人の自尊心を守るケアのコツを、現場目線で解説します。

目次

失禁の原因|実は治せるものも多い

「失禁=年のせい」と諦める前に、原因を知ることが大事。

主な失禁の原因5つ

原因① 加齢による膀胱機能の低下

  • 膀胱の容量が減る
  • 我慢する力が弱まる
  • 夜間頻尿

原因② 前立腺肥大(男性)

  • 排尿障害
  • 残尿感
  • 夜間頻尿

原因③ 骨盤底筋の衰え(女性)

  • 出産経験者に多い
  • 咳・くしゃみで尿漏れ(腹圧性尿失禁)

原因④ 認知症による排尿コントロール障害

  • トイレの場所が分からなくなる
  • トイレに行くタイミングが分からない

原因⑤ 薬の副作用

  • 利尿剤(降圧剤の一部)
  • 一部の抗うつ薬

治せる失禁もある

医療機関で改善可能なケース

  • 過活動膀胱(薬で改善)
  • 前立腺肥大(薬・手術で改善)
  • 骨盤底筋トレーニングで改善
  • 薬の副作用なら処方変更で改善

「失禁はもうどうにもならない」と決めつけず、まず泌尿器科を受診 が鉄則。

排泄ケアの段階|本人の状態に合わせる

排泄ケアは、本人の状態によって対応を変えます。

段階① まだトイレに自力で行ける

普通のパンツ+尿取りパッド で対応。

段階② たまに失敗する

リハビリパンツ(うすいタイプ)+パッド に切り替え。

段階③ 尿意があるが間に合わないことが多い

リハビリパンツ(普通タイプ)+大容量パッド。ポータブルトイレも併用。

段階④ ほぼトイレに間に合わない・夜間失禁

リハビリパンツ(厚手)+夜用大容量パッド、または テープ式紙おむつ

段階⑤ 寝たきり

テープ式紙おむつ+パッド 。介護者の負担を最小化する組み合わせ。

リハビリパンツの選び方|PTが教えるポイント

「介護用品店に行ったら種類が多すぎて選べない」という方へ。

ポイント① 本人の動作能力に合わせる

自分で履ける方

リハビリパンツ(パンツ型)が最適。普通のパンツのように履ける。

介助が必要・寝たきり

テープ止めおむつが便利。横向きにして装着しやすい。

ポイント② 吸収量で選ぶ

軽度(昼用):1〜2回吸収

日中の少量失禁向け。

中度(昼用):2〜3回吸収

活動量が多い方の昼用。

重度(夜用):4〜6回吸収

夜間の長時間対応。

超重度:6回以上吸収+大容量パッド併用

寝たきりの方向け。

ポイント③ サイズ選び

男性

  • ウエスト60〜90cm:M
  • ウエスト90〜110cm:L
  • ウエスト110〜130cm:LL

女性

  • ウエスト60〜80cm:M
  • ウエスト80〜100cm:L
  • ウエスト100〜120cm:LL

サイズが合わないと漏れの原因 に。実測してから購入を。

ポイント④ 通気性・素材

長時間の着用で蒸れることも。通気性の良い素材 を選ぶ。

ポイント⑤ コスパ

毎日使うので、コストは重要。Amazon定期便・ケース買いで20〜30%割引が一般的。

おすすめのリハビリパンツ・パッド

リハビリパンツの定番ブランド

1位|ライフリー うす型パンツ(ユニ・チャーム)

業界シェアNo.1の安定感

  • 薄型でズボンが盛り上がらない
  • 吸収力◎
  • 履きやすい

2位|アテント うす型さらさら(大王製紙)

コスパと品質のバランス◎

  • ライフリーより少し安い
  • 吸収量同等
  • 動きやすい

3位|ネピア テンダー(王子ネピア)

夜用・大容量タイプが充実

  • 8回吸収など超大容量モデル
  • 朝までもれない安心感

尿取りパッドの定番

1位|ライフリー あんしん尿とりパッド

リハビリパンツとの併用で吸収力アップ

  • 男性用・女性用の形状違いあり
  • 吸収量別で選べる

2位|アテント Sケア

コスパ重視の方に

  • 大容量パックでお買い得
  • 夜用も充実

テープ式おむつ

ライフリー 横モレあんしんテープ止め

寝たきりの方向け

  • 装着しやすいテープ式
  • 横モレ防止設計

排泄ケアで本人の自尊心を守る5つのコツ

道具を選ぶだけでなく、 本人の心のケア も大事。

コツ① 「リハビリパンツ」と呼ぶ

「おむつ」と言うと本人のプライドが傷つきます。 「リハビリパンツ」「下着」 と呼びましょう。

コツ② 「失敗」を責めない

「またこぼしたの!」はNG。「大丈夫、洗えば済むから」 と冷静に対応。本人は誰よりも傷ついています。

コツ③ 失敗の原因を探る

  • トイレが遠い→ポータブルトイレ設置
  • 服を脱ぐのに時間がかかる→マジックテープ式パンツ
  • 夜間頻尿→寝室にトイレ/夜用パッド
  • トイレが分からない(認知症)→トイレに「便所」と大きく表示

原因対策で、失敗を減らせます。

コツ④ 一人で交換できる環境を整える

  • リハビリパンツのストックを近くに
  • ゴミ袋を手元に
  • 着替えを取りやすい場所に

「自分で何とかできる」状況を保つ ことが、本人の尊厳を守ります。

コツ⑤ プロのアドバイスを活用

訪問看護師・排泄ケア専門の看護師などのプロに相談。「あなたに合うケア方法」を提案してくれる

ポータブルトイレの活用

「夜中のトイレが間に合わない」場合、ポータブルトイレが救世主に。

ポータブルトイレのメリット

  • 夜中の長距離移動を防げる
  • 転倒リスクの大幅低減
  • 失禁の予防

選び方のポイント

  • 蓋付き(臭い対策)
  • 抗菌・防臭加工
  • バケツが洗いやすい
  • 安定性(倒れない)

注意点

  • 設置場所(プライバシー配慮)
  • 後始末(家族の負担)
  • 本人の自尊心への配慮

自治体の「紙おむつ給付制度」

知らないと損する制度。

制度の概要

多くの自治体で、 要介護3〜5の方向けに紙おむつの給付・助成制度 があります。

給付内容(自治体による)

  • 月3,000〜5,000円分のおむつ支給
  • 現物支給 or 助成金

申請方法

お住まいの市区町村の介護保険課に問い合わせ。ケアマネにも相談すれば代行してもらえることも

「うちの自治体にはあるのかな?」と思ったら、まず確認を。年間数万円の負担軽減に。

排泄ケアでよくある悩みQ&A

Q1. 本人がリハビリパンツを嫌がる

A. 「下着の新作だよ」「介護のプロもこれを推奨してる」と伝える。最初は小さなパッド併用から始めて、慣らす。

Q2. 夜中の交換がつらい

A. 大容量・夜用タイプ+ポータブルトイレで、交換回数を減らす。訪問介護の夜間対応を検討。

Q3. におい対策

A. おむつ専用ゴミ袋+蓋付きゴミ箱。換気・消臭剤の併用も。

Q4. 皮膚トラブル

A. かぶれ・床ずれを予防するため、こまめな交換と保湿クリームを。訪問看護師に相談 が早い。

Q5. 認知症でトイレに行けない

A. トイレに大きな表示(「便所」「トイレ」)。動線にセンサーライト。トイレへの誘導を時間で。

まとめ|排泄ケアは「道具と心の両方」が大事

排泄ケアは、家族介護の中でも特にデリケート。良い道具を選び、本人の心も守る 両輪で乗り切りましょう。

🍀 排泄ケア5原則 ① 失禁の原因を医療機関で確認(治せるものも多い) ② 本人の状態に合わせて段階的に選ぶ ③ サイズ・吸収量・通気性で道具選び ④ 「リハビリパンツ」と呼んで自尊心を守る ⑤ 自治体のおむつ給付制度を活用

迷ったら、 ライフリーのリハビリパンツ+尿取りパッド から始めるのが定番。

Amazon定期便で買うとコスパ最強です。

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この記事を書いた人

佐藤 あゆみのアバター 佐藤 あゆみ 理学療法士/ケアマネ

現役ケアマネジャー・理学療法士。回復期リハビリ・訪問看護・訪問リハビリ・通所リハビリ・介護医療院・介護老人保健施設で15年以上勤務後、介護支援専門員(ケアマネ)の資格を取得。「リハビリのプロ × 介護のプロ」のダブル資格で、ご家族に寄り添う介護情報を発信中。

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