介護休暇と介護休業の違い|どっちを使うべき?申請方法も完全解説

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「介護休暇と介護休業ってどう違うの?」「どっちを取れば給与は出るの?」──親の介護が始まって会社を休む必要が出てきた時、この2つの制度の違いに混乱するご家族は本当に多いです。

結論からお伝えします。「短期=介護休暇」「長期=介護休業」と覚えるだけで使い分けはできます。私はケアマネとして、介護家族から「会社にどう申請すればいいですか?」と相談を受けることが頻繁にあります。 **2つの制度の違いを正しく理解** すれば、 **仕事を辞めずに介護を続けられる** ケースがほとんど。「介護離職」という最悪の選択を避けるためにも、この記事の内容は必須知識です。

逆に、制度を知らずに「介護専念のため離職」を選ぶと、40代で生涯年収3,000万円の損失になり、復職率も40%以下と現実的に厳しいです。 **使い方を間違えると数十万円損する** こともある重要な制度なのに、名前が似ているために混同されがちです。

この記事では、現役ケアマネとして「介護休暇と介護休業の違い」を、 **比較表+申請方法+ケース別の使い分け** まで完全解説します。

この記事で分かること
  • 介護休暇と介護休業の5つの違い
  • 給与・給付金の有無と支給額の計算
  • 申請方法と必要書類
  • ケース別|どっちを使うべきか
  • 時短勤務・在宅勤務などの併用制度

目次

結論|介護休暇と介護休業の最大の違い

時間がない方のために結論から。 **2つの制度は「目的・期間・給付金」が全く違います** 。

項目介護休暇介護休業
目的短時間の対応(通院付き添い等)長期の介護対応
期間年5日まで(対象家族2人なら10日)最大93日(3回まで分割可)
給付金なし(無給または有給)雇用保険から67%支給
単位1日 or 半日 or 時間1日単位
対象要介護2相当以上の家族要介護2相当以上の家族
申請先勤務先勤務先+ハローワーク

つまり、「短期=介護休暇」「長期=介護休業」という使い分けが基本です。両方を組み合わせて使うこともできるので、状況に応じて選びましょう。

介護休暇とは|短期対応の救世主

介護休暇は、 **対象家族1人につき年5日(2人以上なら年10日)** まで取得できる短期休暇制度です。「半日だけ仕事を抜けたい」「数時間だけ休みたい」という時に便利。 **時間単位での取得が可能** (2021年から制度改正)なので、柔軟に使えます。

介護休暇の主な使い方

具体的にこんな場面で活用します。

  • 親の通院付き添い
  • 役所での介護保険手続き
  • ケアマネとの打ち合わせ
  • 施設見学
  • 入退院時の対応
  • 急な体調不良への対応

月1〜2回の通院・打ち合わせがある介護初期に重宝します。「丸1日休まなくていい、半日だけ」というニーズに応える柔軟な制度です。

取得方法と給与の扱い

申請手順はシンプルです。

  • 勤務先の 就業規則 で介護休暇の詳細を確認
  • 上司または人事 に取得希望を伝える
  • 必要書類(介護対象者の情報・要介護度等)を提出
  • 取得

介護休暇は **法律上は無給** (会社の判断で有給扱いも可)。多くの会社では **無給か、半額程度の支給** が一般的です。「無給ならその日は **有給休暇** を使う」という方法もあります。柔軟に組み合わせるのが賢い使い方です。

介護休業とは|長期対応で給付金あり

介護休業は、 **対象家族1人につき通算93日まで** 取得できる長期休業制度です。 **最大93日(約3ヶ月)** をまとまって取れるので、 **介護開始時の集中対応** に最適です。

介護休業給付金は給与の67%が支給される

介護休業の最大の魅力は、 **雇用保険から「介護休業給付金」が支給** されること。これが介護休暇との決定的な違いです。給付金の計算式は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」。

例えば月給30万円の方なら、月約20万円が最大93日分(約3ヶ月)支給されます。 **合計で最大約60万円** の給付金が受け取れる計算です。「無給で休む」のではなく「給与の67%が出る」と知っているかどうかで、決断が変わります。

支給条件は、雇用保険に加入している(正社員・契約社員・パート問わず)、介護休業前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上、対象家族が要介護2相当以上であること。 **パートでも雇用保険加入者なら対象** なので、「自分はパートだから無理」と諦めないでください。

介護休業の申請方法と注意点

給付金が絡むため、申請手順がやや複雑です。

  • 勤務先に介護休業を申請(休業開始の2週間前まで)
  • 介護休業を取得(最大93日)
  • 休業終了後にハローワークへ給付金申請(2ヶ月以内)
  • 給付金が振り込まれる(申請から約1ヶ月後)

介護休業は **3回まで分割取得が可能** (2017年改正)。例えば「最初に30日、後で40日、最後に23日」という使い方もできます。これにより、 **介護の節目に応じて柔軟に休める** ようになりました。「最初の体制構築期+状態悪化時+看取り期」の3回に分けて使うのが効果的な使い方です。

注意点として、休業期間中は給付金が事後支給なので **キャッシュフローに注意** が必要。一時的に貯金を取り崩す形になるので、家計の見通しを立てておきましょう。

ケース別|あなたはどっちを使うべき?

状況別の最適解を整理します。自分の状況に近いケースを参考にしてください。

状況おすすめ制度
親の通院に月数回付き添う介護休暇(年5日 or 半日・時間単位)
親が脳梗塞で倒れて1ヶ月集中対応介護休業(93日のうち30日+給付金)
介護施設入居の準備で3週間休みたい介護休業(まとまった日数+給付金)
認知症進行で短時間の対応が頻繁介護休暇+有給休暇の組み合わせ
親の終末期に付き添いたい介護休業の3回目を看取り期に取得

典型的な活用パターンは、「介護開始時に介護休業30日 → 落ち着いたら介護休暇で通院対応 → 状態悪化時に介護休業40日 → 看取り期に介護休業23日」という流れです。「介護休業93日を一度に使い切らない」のが賢い使い方です。

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介護休暇・休業+他制度との組み合わせ

介護休暇・休業以外にも、活用できる制度があります。組み合わせることで、より柔軟に仕事と介護を両立できます。

時短勤務・在宅勤務など他の権利

介護中の従業員には、以下の権利が法律で保障されています。

  • 短時間勤務制度:1日6時間など、時短で働ける(3年間OK)
  • 所定外労働の制限:残業を断れる権利
  • 深夜業の制限:22〜5時の業務を免除できる
  • 転勤の配慮:介護中の従業員への配慮義務

「介護休業の93日を使い切った後も、時短勤務で長期的に働ける」というのが現代の介護家族の正攻法。多くの会社で時短勤務が利用可能なので、 **人事部に確認** してください。

配偶者・子の介護にも使える

介護休暇・休業は「親」だけでなく、 **配偶者や子の介護でも使える** ことを覚えておきましょう。対象家族は配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫まで含まれます。「親の介護」だけが対象という誤解で、申請しない方が多いので注意してください。

介護離職を絶対に避けるために

「いっそ仕事を辞めて介護に専念したい」と考える方もいるかもしれません。でも、 **絶対に辞めないでください** 。理由を解説します。

介護離職で失うもの

⚠️ 介護離職の経済的損失
  • 生涯年収で約3,000万円の損失(40代で離職した場合)
  • 復職率は40%以下(特に40代以上は厳しい)
  • 国民年金切り替えで将来の年金も激減
  • 介護費用+生活費の二重負担
  • 社会との繋がりが途絶える

「介護のためにキャリアを捨てる」と決断する前に、 **介護休業+時短勤務+介護保険サービスのフル活用** で乗り越えられないか必ず検討してください。 **数年で介護期間が終わる可能性** もあるのに、そこで離職すると数十年の収入を失います。

辞めずに乗り越える代替策

離職を考える前に検討すべき選択肢:

  • 介護休業(93日)で集中対応
  • 介護休暇(年5日)で日常対応
  • 時短勤務(3年間)で長期両立
  • 在宅勤務・リモートワーク
  • 介護保険サービス(デイ・訪問介護)のフル活用
  • イチロウ等のプライベートヘルパー
  • 施設入居も視野に

どうしても両立が難しい場合は、 **介護に理解のある職場への転職** も選択肢。介護専門エージェントなら、介護家族に理解ある求人を紹介してもらえます。

関連記事|あわせて読みたい5本

仕事と介護の両立を成功させるために、あわせて読んでおきたい関連記事を5本まとめました。

まとめ|2つの制度を使い分けて介護離職を防ぐ

介護休暇と介護休業は、 **使い分けることで仕事と介護の両立が可能** になります。「どっちを使えばいいか」迷ったら、この記事を見返してください。

🍀 介護休暇・休業活用5原則
  • 短期は介護休暇(年5日)、長期は介護休業(93日)
  • 介護休業は給付金67%支給で経済的にも安心
  • 介護休業は3回分割取得可能
  • 時短勤務・在宅勤務も組み合わせる
  • 介護離職は絶対に避ける(生涯年収3,000万円の損失)

「使える制度を全部使い切る」ことが、介護を続ける最大のコツ。会社の人事部に「介護関連の福利厚生を全部教えてください」と聞くだけで、見落としていた制度が見つかるかもしれません。今日から1つずつ、活用できる制度を確認してみてください。

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この記事を書いた人

佐藤 あゆみのアバター 佐藤 あゆみ 理学療法士/ケアマネ

現役ケアマネジャー・理学療法士。回復期リハビリ・訪問看護・訪問リハビリ・通所リハビリ・介護医療院・介護老人保健施設で15年以上勤務後、介護支援専門員(ケアマネ)の資格を取得。「リハビリのプロ × 介護のプロ」のダブル資格で、ご家族に寄り添う介護情報を発信中。

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