【確定申告】親の介護で使える税金控除まとめ|現役ケアマネが完全解説

「親の介護でこんなにお金がかかったのに、税金は減らないの?」「確定申告で何か取り戻せる方法ってないの?」──毎年2〜3月の確定申告シーズンに、ご家族から本当によく聞く質問です。実は、 親の介護関連の支出は、適切に申告すれば年間数万〜数十万円が還付 されます。
私はケアマネとして、ご家族から税金関連の相談を受けるたびに 「申請しないと1円ももらえません」 と伝えています。確定申告は手続きが面倒に感じますが、 ほとんどの介護家族が対象になる節税制度 がいくつもあります。知らずに毎年取りこぼしているとしたら、本当にもったいない。
この記事では、現役ケアマネ&FP相談支援の経験から「2026年確定申告で必ず確認すべき7制度」を、申請方法・必要書類と合わせて完全解説します。 この記事を読めば、確定申告で確実に節税できます 。
確定申告で取り戻せるお金は意外と大きい
親の介護関連の確定申告で、 どれくらい還付されるのか ピンとこない方も多いと思います。実例で紹介します。
私が担当したご家族の実例では、介護費用月10万円・医療費月3万円かかっていた家庭が、医療費控除と障害者控除を申請したところ、 年間で約25万円の還付 がありました。これは決して特殊なケースではなく、ほとんどの介護家族が同程度の還付を受けられる可能性があります。
「自分は対象外だろう」と思い込んで申請しない方が多いのですが、 実際は対象になるケースが大半 。所得制限はあるものの、年収500万円程度のサラリーマン家庭でも十分に還付対象になります。 「とりあえず一度確認する」 姿勢が大事です。
確定申告で使える7つの制度
親の介護関連で使える税金控除は7つあります。
| 制度 | 控除額・還付額 | 対象 |
|---|---|---|
| ① 医療費控除 | 超過分が所得控除 | 年間医療費10万円超 |
| ② 障害者控除 | 27万〜75万円 | 要介護認定者 |
| ③ 扶養控除 | 38〜58万円 | 親の所得48万円以下 |
| ④ 同居老親等扶養控除 | 58万円 | 70歳以上同居老親 |
| ⑤ 医療費控除のおむつ証明書 | おむつ代も控除対象 | 寝たきり等 |
| ⑥ 介護医療保険料控除 | 最大4万円 | 民間保険料 |
| ⑦ 雑損控除 | 被害額に応じて | 災害・盗難等 |
これらを すべてフル活用すれば、年間数十万円の節税 が可能です。順番に解説していきます。
制度1|医療費控除
最も知られている制度ですが、 介護関連で対象になる範囲を知らない方 が多いです。介護に関わる医療費はかなり広く対象になります。
医療費控除の基本ルール
年間の医療費が 10万円超 (所得200万円以下なら所得の5%超)の場合、超過分が所得控除されます。家族全員(生計を一にする家族)の医療費を合算できるので、 親の医療費+自分の医療費+子の医療費 をすべて合算してOKです。
介護関連で対象になるもの
- 訪問看護・訪問リハビリの費用
- 通所リハビリ(デイケア)の費用
- 短期入所療養介護(ショートステイの医療系)
- 訪問診療の費用
- 入院費・入院時の食事代
- 通院交通費(タクシー代も含む)
- 薬代(処方薬・市販薬)
- 治療用の医療器具(補聴器・義歯等)
意外と知られていないのが、 介護保険サービスの中でも医療系のもの が医療費控除対象になること。訪問看護・訪問リハビリ・通所リハビリは対象です。一方で、訪問介護・通所介護(デイサービス)は基本的に対象外です。
対象にならないもの
予防接種・健康診断費(病気が見つからなかった場合)・美容整形・通常のメガネ代などは対象外です。
申請方法
確定申告書に 「医療費控除の明細書」 を添付。領収書は原則 5年間保管 が必要(提出は不要)。e-Tax(オンライン申告)を使うと簡単です。
制度2|障害者控除(要介護認定者対象)
これは 絶対に知っておくべき制度 。多くの家族が見落としています。
障害者控除の基本ルール
要介護認定を受けている親は、 市区町村に「障害者控除対象者認定書」を申請 すれば、税法上の障害者として控除を受けられます。 身体障害者手帳がなくても 、要介護認定だけで対象になるのがポイントです。
控除額
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 障害者 | 27万円 |
| 特別障害者 | 40万円 |
| 同居特別障害者 | 75万円 |
要介護2〜3で「障害者」、要介護4〜5で「特別障害者」に認定されることが多いです(自治体により判定基準は異なる)。同居している場合は 「同居特別障害者」で75万円 という大きな控除になります。
申請方法
3ステップで完了します。
- 市区町村の介護保険課・福祉課 に「障害者控除対象者認定書」を申請(無料)
- 発行された認定書 を確定申告書に添付
- 確定申告で 障害者控除欄 に記入
認定書は申請から 1〜2週間 で発行されます。確定申告期限(3月15日)までに余裕を持って申請してください。
還付額の目安
所得税率10〜20%の家庭で、 年間2.7万〜15万円の節税 になります。これを毎年繰り返せば、5年で数十万円の差に。 絶対に取得してください 。
制度3|扶養控除
親を扶養家族にすれば、所得控除が受けられる制度。 別居でも対象になる のがポイントです。
控除額
| 区分 | 控除額 |
|---|---|
| 一般扶養親族(70歳未満) | 38万円 |
| 老人扶養親族(70歳以上) | 48万円 |
| 同居老人扶養親族(70歳以上同居) | 58万円 |
適用要件
親の所得が 48万円以下 (年金収入のみなら 158万円以下 )が条件。年金月12万円程度(年144万円)の親なら対象になります。
別居でも 「生計を一にしている」 (仕送り等)なら適用可能。仕送り実績は 銀行振込履歴 で証明できるので、現金手渡しではなく振込で送るのがおすすめです。
還付額の目安
所得税率10〜20%なら、 年間4.8〜11.6万円の節税 。住民税の軽減も合わせると、さらに大きい節税効果があります。
制度4|同居老親等扶養控除
70歳以上の親と 同居 している場合、扶養控除に加えて 「同居老親等扶養控除」 が適用されます。 控除額が58万円 に増額されます。
「同居」の定義は意外と広く、二世帯住宅・近居でも対象になるケースがあります。 「常に介護のために同居している」 状態なら、別住所でも認められることがあるので、判断に迷ったら税務署に相談してください。
制度5|医療費控除のおむつ証明書
寝たきりの親のおむつ代も、 医療費控除対象 にできる制度。年間で数万〜十数万円の節税になります。
おむつ証明書とは
主治医が発行する 「おむつ使用証明書」 があれば、紙おむつ代・尿取りパッド代が医療費控除対象になります。
申請方法
- 主治医に 「おむつ証明書を発行してください」 と依頼
- 領収書(おむつ購入時のもの)を保管
- 確定申告で おむつ証明書+領収書 を添付
還付額の目安
寝たきりの親のおむつ代は年間 15万〜30万円 が目安。これが医療費控除対象になれば、 年間1.5万〜6万円の還付 になります。
「介護用パジャマの選び方」「排泄ケアとリハビリパンツ」記事も参考に。
制度6|介護医療保険料控除
民間の介護保険・医療保険の保険料も控除対象です。 「生命保険料控除」 の中の「介護医療保険料」枠で申告します。
控除額
最大 4万円 (所得税)/ 2.8万円 (住民税)が控除されます。複数の介護保険・医療保険に加入していても、合算で上限まで控除可能です。
申請方法
保険会社から送られてくる 「生命保険料控除証明書」 を確定申告書に添付するだけ。年末調整で会社員ならすでに申告している人も多いはず。
制度7|雑損控除(自然災害等)
介護中の親が自然災害・盗難の被害に遭った場合の控除。地震・台風・火災などで自宅が損害を受けた場合に申請できます。
該当するご家族は限られますが、 「親が認知症で詐欺被害に遭った」 ケースでも雑損控除が認められることがあるので、被害があった年は税務署に相談してみてください。
確定申告の準備|必要書類リスト
確定申告でスムーズに申請するための、必要書類を整理します。
必ず用意するもの
- 源泉徴収票(給与所得者)
- マイナンバーカード(または通知カード+身分証)
- 銀行口座情報(還付金振込先)
- 印鑑
介護関連で追加するもの
- 医療費の領収書(年間分)
- 介護保険の利用明細書
- おむつ代の領収書+おむつ証明書
- 障害者控除対象者認定書(市区町村で取得)
- 親の年金通知書(扶養控除申請時)
- 親への仕送り記録(別居扶養の場合)
- 生命保険料控除証明書
これらを 年間を通じて保管 する習慣をつけておくと、確定申告時に慌てません。 「介護の領収書ファイル」 を1冊作って保管するのがおすすめです。
確定申告の3つの方法
確定申告は3つの方法から選べます。
方法① e-Tax(オンライン)
国税庁のサイトで オンライン申告 。マイナンバーカード+スマホ・PCで完結します。最も便利で、書類郵送も不要。 還付金の入金も早い (1〜2週間程度)。
方法② 税務署窓口
税務署で職員のサポートを受けながら申告。 初めての確定申告で不安な方 におすすめ。混雑するので予約が必要なことも。
方法③ 税理士に依頼
複雑な相続・事業所得がある場合は税理士依頼が安心。 5万〜10万円程度の費用 がかかりますが、節税アドバイスももらえます。
FP相談で「全制度漏れチェック」
7制度すべてを自分で完璧に申請するのは大変。 FP(ファイナンシャルプランナー)の無料相談 を活用すれば、漏れなく申請できます。
おすすめは ほけんの窓口 (全国店舗)、 マネプロ (オンライン)、 保険見直しラボ (訪問)。すべて無料で何度でも相談できます。FPに「確定申告で使える介護関連の制度を全部教えて」と聞けば、漏れなく整理してもらえます。
確定申告でやってはいけない3つの失敗
失敗① 領収書を捨てる
医療費の領収書は 5年間保管 が必須。「申告しない」と決めても、後から控除に気付くこともあります。捨てずに必ず保管してください。
失敗② 障害者控除認定書を申請しない
要介護認定者は 必ず障害者控除対象者認定書 を市区町村で取得してください。これを取らないと、年間数万〜十数万円を毎年取りこぼします。
失敗③ 期限ギリギリの申告
確定申告期限は 3月15日 。期限ギリギリだと書類不備で再提出になることも。 2月末までに完了 を目標にしてください。還付申告は5年遡及可能ですが、早く申告するほど早く還付されます。
まとめ|2026年確定申告で確実に節税
親の介護関連の確定申告は、 「申請する人」と「申請しない人」で年間数十万円の差 が出ます。
🍀 2026年確定申告5原則 ① 障害者控除認定書を市役所で取得 ② 医療費の領収書を全部保管 ③ おむつ代も医療費控除対象 ④ 別居の親も扶養控除可能 ⑤ FP無料相談で漏れチェック
7制度をフル活用すれば、 年間数万〜数十万円の還付 が見込めます。「自分は対象外」と決めつけず、まずは確認してください。
複雑で不安な方は、 無料のFP相談 を活用するのが最短ルート。「確定申告で使える制度を全部教えて」と聞くだけで、選択肢が一気に整理されます。