親の認知症診断後にやること30日ロードマップ|現役ケアマネが時系列で解説

「親が認知症と診断された…これから何をすればいいんだろう」「ショックすぎて頭が真っ白」──認知症の診断を受けた直後のご家族から、本当によく聞く声です。診断を受けた瞬間、家族の人生計画が一気に変わり、 何から手をつければいいか分からない のが現実です。
私はケアマネとして、認知症診断直後のご家族を何百組も支援してきました。 「診断後30日の動き方」で、その後10年の介護の質が決まる と感じています。慌てて間違った順序で動くと後悔しますが、 正しい順序で動けば必ず体制が整います 。
この記事では、現役ケアマネとして「親が認知症と診断された後の30日にやること」を、 Day1〜Day30の時系列 で完全解説します。
まず大前提|認知症は「終わり」ではない
認知症の診断は、家族にとって大きなショック。でも、 認知症と診断されても人生はまだまだ続きます 。早期診断+適切な対応で、 進行を遅らせて、本人らしい生活を続けられます 。
認知症の進行は、軽度→中等度→重度と段階的に進みます。診断時が 軽度なら、適切なケアで5〜10年は本人らしさを保てる ケースも珍しくありません。「診断=もう何もできない」ではなく、 「診断=適切な対応の始まり」 と捉えてください。
最初の30日でやることは、大きく4フェーズに分かれます。
| フェーズ | 期間 | やること |
|---|---|---|
| フェーズ1(医療・診断確認) | Day1〜5 | 診断結果の理解・治療開始 |
| フェーズ2(介護準備) | Day6〜15 | 要介護認定・ケアマネ選定 |
| フェーズ3(法的・経済準備) | Day16〜25 | 成年後見・お金の整理 |
| フェーズ4(長期計画) | Day26〜30 | 家族会議・施設情報収集 |
フェーズ1|Day1〜5(医療・診断確認)
最初の5日は、 診断結果の理解と治療開始 に集中します。
Day1|診断結果を正確に理解する
診断当日。まずは 医師の説明をしっかり理解 することから始めます。
確認すべきポイントは、 認知症の種類 (アルツハイマー型・血管性・レビー小体型など)、 進行度 (軽度・中等度・重度)、 予後 (今後の進行見込み)、 治療の選択肢 (薬の種類・効果・副作用)。重要な情報なので、 必ずメモ を取り、できれば家族2人で同席してください。
「もう一度説明を聞きたい」「セカンドオピニオンを取りたい」と感じたら、遠慮せず申し出ましょう。診断は 本人と家族の今後を決める重要な情報 です。
Day2|抗認知症薬の処方を確認
認知症の種類によって、 抗認知症薬 が処方されます。アルツハイマー型なら アリセプト・レミニール・メマリー などが代表例。
薬の 効果と副作用 を医師に確認し、服薬管理の計画を立てます。本人が薬を忘れる場合は、 お薬カレンダー を導入。家族の見守りも必要です。
Day3|本人への伝え方を考える
「本人に認知症と伝えるべきか」は、家族が悩む大きなテーマ。 本人の理解力・性格 で判断します。
軽度の段階で 本人と一緒に向き合う ことで、本人も今後の準備に参加できます。「お父さんも一緒に頑張ろう」という形で伝えるのが、 本人の尊厳を守りながら現実を共有 する方法です。
逆に、進行が早く理解力が低下している場合は、 無理に伝えないほうが良い こともあります。主治医・ケアマネに相談して判断してください。
Day4〜5|地域包括支援センターに連絡
診断から数日以内に、 「地域包括支援センター」 に連絡します。これが介護の 最初の重要な窓口 。
地域包括センターは 無料の介護相談窓口 で、要介護認定の申請サポート・ケアマネ紹介・介護サービス調整まで全部対応してくれます。「親が認知症と診断されました」と伝えれば、必要な手続きを一緒に進めてくれます。
フェーズ2|Day6〜15(介護準備)
次の10日は、 介護保険サービスを使うための準備 に集中。
Day6〜7|要介護認定の申請
地域包括センター経由で 要介護認定を申請 します。申請から認定まで 約30日 かかるので、できるだけ早く申請するのが鉄則。
認知症の場合、 「身体は元気だけど判断力が低下」 という状態が多く、認定調査で介護度が低く出がち。 「家族が一番困っていること」を具体的に 伝えることが重要です。「要介護認定の申請方法」「要介護認定の更新と区分変更」記事も参考に。
Day8〜10|認知症対応の介護サービスをリサーチ
要介護認定の結果を待つ間、 認知症対応のサービス をリサーチします。
主な選択肢は、 認知症対応型デイサービス (認知症専門のデイ)、 小規模多機能型居宅介護 (訪問・通い・泊まりの組み合わせ)、 認知症対応型グループホーム (認知症専門の施設)、 デイサービス・デイケア (一般型)。本人の状態と家族の事情で最適解が変わります。
Day11〜13|ケアマネ選定
認定が下りたら、 ケアマネを決める 必要があります。認知症の場合は、 認知症ケアの経験豊富なケアマネ を選ぶのが鉄則。
地域包括センターに「認知症対応に詳しいケアマネを紹介してほしい」と伝えれば、適切なケアマネを案内してくれます。 複数のケアマネと面談 して、相性を確認するのがおすすめです。「ケアマネの選び方」記事も参考に。
Day14〜15|ケアプラン作成・サービス開始
ケアマネと ケアプラン (介護サービスの計画書)を作成。週何回・どのサービスを使うかを決めます。
家族の希望(家族のレスパイト時間が欲しい・本人の社会参加を促したい等)を 遠慮せず伝えてください 。ケアマネは家族の希望をベースにプランを作ります。「ケアプランとは」記事も参考に。
フェーズ3|Day16〜25(法的・経済準備)
中盤の10日は、 法的・経済的な準備 に集中。 本人の判断力があるうちに進める のが超重要です。
Day16|本人の財産を把握
本人の 預貯金・年金・不動産・保険・借金 を一覧化します。本人の判断力があるうちに、家族と一緒に資産を整理することが大事。
特に 複数の銀行口座・証券口座 がある場合は要注意。「親が忘れていた口座」が後で見つかることも多いです。
Day17〜18|任意後見・家族信託の検討
本人の判断力があるうちなら、 任意後見契約 や 家族信託 を活用できます。これは認知症が進行した後では使えなくなる制度です。
任意後見は、 判断力が低下した時に備えて、信頼できる人に財産管理を任せる 契約。家族信託は、 財産を信頼できる家族に託して管理してもらう 制度。司法書士・弁護士に相談してください。「成年後見制度」記事も参考に。
Day19〜20|障害者控除認定書の取得
認知症で要介護認定を受けた本人は、 「障害者控除対象者認定書」 を市区町村に申請できます。これにより税法上の障害者控除(27万〜75万円)が受けられます。
申請は無料、年間数万〜十数万円の節税になるので、 絶対に忘れずに 取得してください。「親の介護でもらえるお金控除」記事も参照。
Day21〜23|介護保険料・医療費の見通し
認知症の介護費用の見通しを立てます。在宅介護なら月10〜15万円、認知症グループホームなら月12〜18万円が目安。
FP無料相談 で家計シミュレーションをしてもらうのがおすすめ。 長期的な経済プラン を立てることで、お金の不安を減らせます。「親の介護費用が不安_FP相談」「介護で使える補助金助成金一覧2026」記事も参考に。
Day24〜25|運転免許・保険の整理
認知症の本人が 運転している場合は、免許返納の検討 が必要。事故リスクと家族の責任問題に直結します。「親が運転できない|免許返納の説得術」記事も参考にしてください。
民間の医療保険・介護保険も見直し。 古い保険の整理 で月数千円の節約になることも。
フェーズ4|Day26〜30(長期計画)
最後の5日は、 家族の長期計画 を立てる時期。
Day26〜27|兄弟・配偶者との家族会議
兄弟・配偶者と 家族会議 を開きます。認知症の進行を見据えた 長期的な役割分担 を決めることが超重要。
会議で決めるべきは、 主介護者の負担分散 、 金銭的負担の分担 、 緊急時の連絡網 、 施設入居のタイミングと判断基準 。「兄弟がもめない話し合いマニュアル」記事も参考に。
Day28|認知症対応施設の情報収集
「在宅でずっと看たい」と思っても、 認知症の進行で在宅が困難になる ことが多いです。早めに 施設情報を収集 しておきましょう。
みんなの介護で 「認知症対応グループホーム」「認知症受け入れ可能な特養・有料老人ホーム」 を絞り込み、無料で資料請求。 「いざという時の選択肢」 を持っておくことで、家族の安心感が違います。「認知症の親が入れる施設」「介護施設見学チェックリスト17項目」記事も参考に。
Day29|認知症の親への接し方を学ぶ
認知症ケアには 「正しい接し方」 があります。家族が学ぶことで、本人のBPSD(暴言・徘徊等)を予防・軽減できます。
学ぶべきポイントは、 否定しない・急がせない・本人のペースに合わせる 、 過去の話を聞く(昔の記憶は残っている) 、 環境を変えすぎない 、 イライラを表に出さない 。「認知症の親への対応」を学ぶ書籍やオンライン講座も活用してください。
Day30|30日間の総括と次月の計画
30日間お疲れさまでした。最後に 総括と次月の計画 を立てます。
うまくいったこと、改善が必要なこと、追加で必要なサービスを整理。ケアマネと 次月のケアプラン調整 をします。1ヶ月で介護のリズムが大体できあがります。
30日間でやってはいけないNG行動
NG① 完璧を目指す
「完璧な介護」を目指すと家族が疲弊します。 6割でOK のスタンスで進めてください。
NG② 全部自分で抱え込む
地域包括センター・ケアマネ・主治医・MSW・FPなど、 頼れる専門家を最大限活用 。1人で抱え込まないこと。
NG③ 本人の判断力を過信して財産整理を遅らせる
認知症は 進行が早い ことがあります。判断力があるうちに、 任意後見・家族信託・遺言書 を整えてください。
30日後|次に考えるべきこと
30日経ったら、 長期戦の体制整備 に入ります。
考えるべきテーマは、施設入居の検討(みんなの介護で資料請求継続)、お金の最適化(FP相談)、家族のメンタルケア(介護うつ予防)、長期的なキャリア計画。 「介護を続けながら自分の人生も生きる」 バランスを考える時期です。
家族のメンタルケアも超重要。「介護うつチェックシート20項目」「在宅介護の限界サイン10選」記事を読んで、自分の状態をチェックしてください。
まとめ|診断後30日で介護体制を立ち上げる
認知症の診断は家族の人生を変える出来事ですが、 30日のロードマップに沿って動けば必ず体制が整います 。
🍀 認知症診断後30日5原則 ① Day5までに地域包括センターに連絡 ② Day10までに認知症対応サービスをリサーチ ③ Day20までに任意後見・障害者控除など法的・経済準備 ④ Day30までに兄弟会議+施設情報収集 ⑤ 「6割でOK」のスタンスで進める
施設情報の収集だけは早めに。みんなの介護で 無料の資料請求 をしておけば、いざという時の選択肢を持てます。「親が認知症かも?セルフチェック15項目」「認知症の親が入れる施設」記事もあわせて読んで、長期戦に備えてください。