排泄ケア|おむつにする前にやる3日間の記録と“その後”の現実

当ページのリンクには広告が含まれています。

「また、間に合わなかった」
「何度言っても、トイレに行ってくれない」
「もう、おむつにするしかないのかな」

——排泄ケアは、在宅介護でいちばん心が折れる場面です。

この記事では、理学療法士として16年、訪問リハビリで数えきれないほどのご家庭の「排泄の悩み」に立ち会ってきた立場から、失禁の原因の見分け方、リハビリパンツとパッドの選び方、そして「おむつに切り替えたあとに実際に起きること」までをお伝えします。

リハウルフ
こんにちは、理学療法士のリハウルフです。排泄の失敗は、本人がいちばん傷ついています。まずそこから始めさせてください。

担当したご家族から、いちばん多く聞く言葉があります。「食事も入浴も何とかなる。でも、排泄だけは無理」——これは、あなただけの弱音ではありません。

そして、多くのご家族が同じ順番で間違えます。失敗が続いた瞬間に、おむつを買いに走る。これが、いちばんもったいない一手です。

この記事の結論を、先に

排泄ケアは「用具選び」から始めない。
「3日間の記録」から始める。

失禁の原因の多くは、膀胱そのものではなく「間に合わない環境」にあります。

記録を取れば、原因が見えます。原因が見えれば、おむつを使わずに済む場合も、現場では珍しくありません。

目次

最初にやるのは、おむつ選びではなく「3日間の排泄記録」

私が訪問先で最初にお願いするのは、3日間だけ、排泄の記録をつけることです。難しく考えなくて大丈夫です。紙に、時刻と結果を書くだけです。

記録するのは、この4つだけ

  • 時刻(トイレに行った/失敗に気づいた時間)
  • 成功か、失敗か(間に合った/間に合わなかった)
  • 尿か、便か
  • そのとき何をしていたか(起きた直後、食後、夜中、など)

3日で、はっきり見えてくるものがあります。失敗する時間帯は、たいてい決まっているのです。

「起きた直後に必ず失敗する」なら、朝いちばんに声をかければ防げます。「夕方だけ失敗する」なら、疲れて足が動かなくなっているサインです。時間帯が分かれば、対策は自動的に決まります。

リハウルフ
記録は「本人を管理する」ためではありません。家族が振り回されるのをやめるための、地図です。

「トイレに間に合わない」の正体は、膀胱ではなく“距離と速度”

ここが、理学療法士としていちばん伝えたいところです。

尿意を感じてから漏れるまでの猶予は、個人差はありますがそう長くはありません。切迫した尿意の場合、数十秒〜数分というケースもあります。その短い時間で、寝室からトイレまで移動しきれるかどうか。「間に合わない」は、膀胱の問題ではなく、移動時間の問題であることが非常に多いのです。

尿意を感じる
布団・椅子から立ち上がる(ここで数十秒かかる人がいます)
廊下を歩く(つかまる場所を探しながら)
トイレのドアを開ける・向きを変える
ズボンと下着を下ろす(手が動きにくいと、ここが最大の関門)
座る ← ここまでに間に合うか?

担当したご家族で、こんなことがありました。「母が失禁するようになった」と相談を受け、記録を見ると、失敗はすべて夜間。実際に夜のトイレまでの動きを見せてもらうと、廊下の電気が遠く、暗い中を壁伝いに歩いていました。

やったことは、廊下に人感センサーライトを付け、寝室のドアを開けておいただけです。それで夜間の失敗はぐっと減りました。膀胱には、何も手を加えていません。

失敗を減らす「環境」の見直し 5点
  • トイレまでの距離——寝室を変えられないか。ポータブルトイレを置けないか。
  • 明るさ——夜間の廊下・トイレは、センサーライトで自動点灯に。
  • つかまる場所——立ち上がりとズボンの上げ下ろしの位置に、手すりを。
  • 服装——ボタンやベルトをやめ、ゴムのウエストに変えるだけで数十秒が浮きます。
  • ドア——開き戸で体を引かなければならない位置は、それだけで間に合わなくなります。

この5点を見直さずにおむつへ移るのは、早すぎます。

手すりの設置は介護保険の住宅改修(原則20万円まで)、ポータブルトイレは特定福祉用具販売の対象です。詳しくは後の章で触れます。

失禁には5つのタイプ|「治せるもの」も混じっている

「年だから仕方ない」と片づけられがちですが、失禁にはタイプがあり、対応が違います。中には、医療で対応できるものも含まれます。

タイプどんなときに漏れるまず考えること
切迫性急に強い尿意が来て、間に合わない環境の見直し。泌尿器科への相談も選択肢
腹圧性咳・くしゃみ・立ち上がりで漏れる女性に多い。骨盤底の運動を指導されることがあります
溢流(いつりゅう)性出しきれず、少しずつ漏れ続ける受診を。前立腺肥大などが背景にあることがあります
機能性尿意はあるが、動作や場所の認識が追いつかない環境・誘導の工夫。認知症や運動機能の影響
反射性尿意がないまま出てしまう神経の病気が関係することがあり、受診が必要
この場合は、おむつより先に受診を
  • 急に失禁が始まった(数日〜1〜2週間の急な変化)
  • 発熱、尿の濁り・強いにおいを伴う
  • 出にくい、残っている感じがあると本人が言う
  • 失禁と同時に、歩き方や物忘れも急に悪化した

急な変化の裏に、尿路感染や薬の影響が隠れていることがあります。おむつを当てると、この変化に気づけなくなります。

リハウルフ
「急に」は、体からの合図です。ゆっくり進んだ失禁と、急に始まった失禁は、まったく別物として扱ってください。

排泄ケアには4つの段階がある|一段飛ばしをしない

排泄ケアは、いきなり「トイレ」か「おむつ」の二択ではありません。本人の状態に合わせて、段階を下りていくものです。

トイレ+布パンツ

自分で歩いて行ける段階。ここを守れるなら、守ります。

トイレ+リハビリパンツ(+パッド)

たまに間に合わない段階。「失敗したときの保険」として使うのが本来の使い方です。トイレには自分で行きます。

ポータブルトイレ+リハビリパンツ

夜間や体調不良時だけ、ベッド脇で。日中はトイレ、夜だけポータブル、という併用が現実的です。

テープ式おむつ+パッド

寝たきりに近く、立位が取れない段階。ここで初めてテープ式です。

現場でよく見るのが、2段階目を飛ばして、いきなり4段階目に行ってしまうケースです。「失敗が増えたから、もうテープ式で寝かせておこう」と。気持ちは、痛いほど分かります。ですが、次の章の理由から、私はそれを止めます。

おむつに切り替えた“あと”に、実際に起きること

ここは、他ではあまり書かれない部分です。おむつを選ぶ話ではなく、おむつにしたあと、家の中で何が起きるかの話です。

① 起き上がる回数が減り、動けなくなっていく

見落とされがちですが、トイレ通いは、高齢者にとって1日で最大の運動量です。日中に5〜7回トイレへ行く人は、それだけで5〜7回、立ち上がって歩いています。

おむつにすると、この回数がゼロになります。私が見てきたケースでは、この「立ち上がる機会の消失」が、その後の歩行能力の低下に影響していると感じる場面が多くあります。使わない機能は、落ちていきます。

② 皮膚のトラブルが増える

尿や便が長く肌に触れていると、蒸れとかぶれが起きやすくなります。おしりが赤くなると、痛みで座るのを嫌がるようになり、さらに動かなくなる——この連鎖が起きます。

拭きすぎが、かえって皮膚を傷めます

汚れを落とそうとして、強く何度もこするご家族が多いです。こすらず、押さえて拭き取る。できれば、微温湯で流すか、洗浄剤を使う。これだけで肌の状態が変わることがあります。

③ 本人が「もう終わりだ」と受け取る

これが、いちばん重いです。おむつを当てられた日を境に、口数が減り、食事量が落ちる方を、私は何人も見てきました。本人にとって、おむつは「介護用品」ではなく、「自分はもう、人として終わった」という宣告として受け取られることがあるのです。

リハウルフ
おむつは悪ではありません。ただ、渡し方を間違えると、本人の心ごと折ってしまうことがあります。

④ それでも、おむつが正解のときがある

誤解のないように書きます。おむつを使うべき場面は、確実にあります。

おむつを使ってよい(使うべき)とき

  • 夜間だけ——夜中のトイレは転倒・骨折のリスクが最も高い時間帯です。夜だけおむつ、日中はトイレでいい。
  • 介護者が眠れていない——夜間の対応で家族が壊れるくらいなら、夜はおむつで乗り切ります。
  • 本当に立てない——立位が取れない状態で無理にトイレへ運ぶのは、双方が危険です。

「全部おむつ」ではなく「時間帯を区切って使う」。これが現実的な落としどころです。

リハビリパンツの選び方|サイズを間違えると全部漏れます

リハビリパンツ(パンツ型)は、自分で立てる・歩ける人が、下着のように履くものです。選ぶポイントは3つだけです。

選ぶポイントは、この3つ

① サイズはウエストではなく「ヒップ」で選ぶ
これがいちばん間違えられています。パンツ型のサイズ表記は、多くの製品でヒップ周りが基準です。ウエストで選ぶと大きすぎて、脚まわりに隙間ができ、そこから漏れます。

② 吸収回数は「多いほど良い」ではない
吸収量が多い製品は、その分ぶ厚く、重くなります。厚いと股が開いて歩きにくくなり、転倒のリスクが上がります。日中は薄型、夜だけ厚型、という使い分けが現実的です。

③ 「横から破けるか」を必ず確認
便が出てしまったとき、パンツを下ろすと全身が汚れます。両脇を破って外せるタイプなら、寝たままでも交換できます。この一点で、介護の負担が変わります。

また、リハビリパンツはまとめ買いの前に、必ず1袋だけ試してください。体型との相性があり、合わないメーカーの大袋が押し入れに眠っている家を、私は何度も見ています。

▼ ここにポチップを挿入 ▼

Amazon商品名:リフレ はくパンツ うすくてらくらく

▼ ここにポチップを挿入 ▼

Amazon商品名:ライフリー うす型軽快パンツ

尿取りパッドの正しい使い方|「重ね使い」が漏れの原因です

パッドは、パンツやおむつを毎回捨てずに済ませるための「中敷き」です。汚れたらパッドだけ替えます。経済的で、交換もラクになります。

ただし、現場でいちばん多い間違いがこれです。

パッドの2枚重ねは、逆効果です

「漏れるから、心配で2枚重ねている」——非常によく聞きます。ですが、パッドの表面には防水シートが入っているため、上のパッドを通り抜けた尿は、下のパッドに吸われません。行き場をなくした尿は、横から漏れます。

漏れるなら、枚数ではなく「1枚あたりの吸収量」を上げる。これが正解です。

パッドを当てるときのコツ

  • 男性は前側に厚みを寄せる——尿が出る位置が前だからです。
  • 女性は股間から後ろ寄りに——仰向けだと、尿は後ろへ流れます。
  • ギャザー(立体的な縁)を必ず立てる——寝かせたまま当てると、そこから横漏れします。
  • パッドはパンツより大きくしない——はみ出た部分が、そのまま漏れ道になります。

▼ ここにポチップを挿入 ▼

Amazon商品名:ライフリー ズレずに安心 紙パンツ用尿とりパッド

ポータブルトイレは、介護保険で買えます(年10万円まで)

「夜だけ間に合わない」——この段階で、いちばん効くのがポータブルトイレです。ベッドの脇に置けば、移動距離が数メートルから、数十センチになります。

ポータブルトイレ(腰掛便座)は、介護保険の「特定福祉用具販売」の対象種目です。レンタルではなく購入ですが、費用の一部が保険から給付されます。

10万円
特定福祉用具販売の支給限度基準額(1年度あたり)
1〜3割
自己負担(所得によって異なります)
4月〜翌3月
10万円をカウントする1年間の区切り
先に買うと、1円も戻りません

自分でネット通販や量販店で買ったものは、原則として給付の対象になりません。介護保険の指定を受けた事業者から購入する必要があります。

買う前に、必ずケアマネジャーに連絡してください。順番を間違えるだけで、数万円が自己負担になります。

リハウルフ
「良かれと思って先に買いました」が、いちばん多い失敗です。介護保険は、ほぼすべて“申請してから”の制度です。

ポータブルトイレを「置いても使われない」理由

買ったのに使われない家は、多いです。理由はだいたい、この3つです。

① においが気になって、本人が拒否する
消臭剤や凝固剤を併用し、その都度片づける前提で置きます。

② 部屋の真ん中にあって、恥ずかしい
ベッドの足元ではなく、頭側の壁沿いに。パーテーションやカーテンを1枚。これだけで受け入れが変わります。

③ 座面が低くて、立ち上がれない
高さ調整ができるタイプを。立ち上がれない高さのポータブルトイレは、置いていないのと同じです。

本人の自尊心を守る、5つのコツ

技術より、こちらのほうが結果を左右することがあります。排泄の失敗を責められた人は、水分を控えるようになります。そして脱水を起こし、さらに状態が悪くなる——この悪循環を、何度も見てきました。

現場で効く、5つの関わり方

① 失敗を、なかったことにする
「あら、濡れちゃったね」で終わらせ、原因を追及しない。責めないことが、次の失敗を減らします。

② 「おむつ」という言葉を使わない
「パンツ」「下着」と呼びます。呼び方ひとつで、拒否が消えることがあります。

③ 誘うのは、質問ではなく提案で
「トイレ行く?」は「行かない」を招きます。「そろそろ、一緒に行きましょうか」と、行動として誘います。

④ できる部分は、絶対に奪わない
ズボンを下ろすのは手伝っても、拭くのは本人に。残った1つの動作が、本人の誇りを支えています。

⑤ 見ない・実況しない
介助中は、正面から見つめない。「もう出た?」と急かさない。ドアの外で待てるなら、待つ。

もう一つ、大事なことを。水分は、控えさせないでください。失敗を減らそうと水分を減らすと、尿が濃くなり、かえって膀胱を刺激して頻尿になることがあります。加えて、脱水・便秘・尿路感染のリスクも上がります。減らすなら「量」ではなく「寝る直前のタイミング」だけです。

家族だけで抱えないための、外部の手

排泄介助は、家族がやると「親子」の関係が壊れやすい介助です。子どもに下の世話をされることを、親は想像以上に苦痛に感じます。逆に、他人であるヘルパーには、あっさり任せる方が多いのです。

まずは介護保険の訪問介護(ホームヘルプ)で、排泄介助を入れられないかケアマネに相談してください。ただし、介護保険には時間や回数の制約があります。「夜間だけ来てほしい」「もう少し長く見てほしい」といった希望は、保険の枠に収まらないことも多いです。

その場合の選択肢が、保険外の介護サービスです。保険の縛りがないぶん、時間も内容も自由に頼めます。「夜間だけ」「介護者が寝る数時間だけ」といった、いちばん苦しい時間帯をピンポイントで外注できます。

おむつ代を軽くする、2つの公的な制度

おむつ代は、毎月かかり続けます。使える制度が2つあります。

① 市区町村の「紙おむつ支給・助成」

多くの市区町村が、紙おむつの現物支給や購入費の助成を行っています。これは介護保険の「地域支援事業」のうちの任意事業として実施されるもので、やるかどうか、条件をどうするかは、市区町村ごとに違います。

「要介護3以上」「住民税非課税世帯」といった要件が付くことが多いのですが、これも自治体ごとに異なります。お住まいの市区町村の窓口か、地域包括支援センターで確認してください。(確度:制度の枠組みは厚労省資料で確認済み/個別の条件は自治体ごとに要確認)

② おむつ代の医療費控除

こちらは全国共通の税制です。おむつ代を、確定申告の医療費控除に含められます。

おむつ代が医療費控除の対象になる条件

  • 傷病により、おおむね6か月以上寝たきりの状態にあること
  • 医師の治療を受けていること
  • 医師が発行する「おむつ使用証明書」を、確定申告書に添付または提示すること

2年目以降は、介護保険の「主治医意見書」の写しで、おむつ使用証明書に代えられる簡易な手続きが認められています。ただし、意見書の「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)」がB1・B2・C1・C2のいずれかで、かつ「尿失禁の発生可能性」が「あり」と記載されていることが条件です。

(確度:高。国税庁の法令解釈通達・質疑応答事例で確認済み)

レシートは、今日から捨てないでください

医療費控除には、購入した金額が分かるものが必要です。「証明書を後から取れても、レシートは後から取れません。」おむつのレシートは、封筒を1つ決めて、全部そこに入れてください。

なお、市区町村によっては、2年目以降の確認書を発行してくれる場合もあります。手続きの詳細は、税務署または市区町村にご確認ください。

排泄ケアは、在宅介護の「限界サイン」の筆頭です

最後に、いちばん言いたいことを書きます。

私が見てきた中で、在宅介護が続けられなくなる引き金は、ほとんどが排泄です。食事でも入浴でもありません。とくに、夜中に何度も起こされ、その都度シーツを替える生活が始まると、家族は数か月で限界に来ます。

この状態なら、今日ケアマネに連絡を
  • 夜間の対応で、あなたが3時間続けて眠れていない
  • 便の後始末のたびに、親に怒鳴ってしまう・泣いてしまう
  • 洗濯が回らず、家の中がにおうようになってきた

これは根性の問題ではありません。仕組みが足りていないだけです。ショートステイ、夜間対応型の訪問介護、保険外サービス——打てる手は、まだあります。

リハウルフ
「もう少し早く相談してくれれば」と、私は何度も思ってきました。限界に来てからでは、選べる手が減ってしまうんです。

排泄ケアのよくある悩み Q&A

トイレに行きたがりません。何度誘ってもダメです。
「トイレ」という言葉に反応して拒否している場合があります。「ちょっと歩きましょうか」と誘い、結果としてトイレの前まで行く。あるいは「私が行くから、付き合って」と誘う。目的を言わずに移動させるほうが、うまくいくことがあります。
夜中に何度もトイレに起きます。どうすれば。
まず、飲んでいる薬を確認してください。利尿薬など、夜間の尿量に影響する薬もあります。自己判断で中止せず、主治医か薬剤師に「夜間頻尿で家族が眠れない」と伝えて相談を。並行して、ベッド脇のポータブルトイレで「起こされる回数」ではなく「起こされる負担」を減らす手もあります。
おむつを自分で外してしまいます。
不快だから外しています。蒸れ、かゆみ、サイズが合っていない、便が出ている——理由が必ずあります。まず中を確認してください。「困った行動」ではなく「訴え」として見ると、対応が変わります。
便失禁が続きます。下痢を止める薬を飲ませていいですか。
自己判断はやめてください。便秘が続いた後に、たまった便のすきまから漏れ出す「溢流性便失禁」の場合、止めると悪化します。見た目が下痢でも、中身は便秘ということがあります。必ず主治医か訪問看護に相談を。
介護する側が、においに耐えられません。
これは、我慢する話ではありません。処理用の密閉できるゴミ箱、防臭袋、使い捨て手袋を揃えるだけで、負担がはっきり変わります。道具にお金をかけることは、甘えではなく戦略です。
リハビリパンツとテープ式、どちらを買えばいいですか。
立てるならリハビリパンツ、立てないならテープ式です。判断に迷うなら、ケアマネか訪問リハ・訪問看護に「実際に立たせてみてほしい」と頼んでください。立位が取れるかどうかで、必要な用具はまったく変わります。

まとめ|順番を間違えなければ、排泄ケアは変えられる

おむつを買う前に、3日間の記録を。

  • まず記録——失敗する時間帯は、たいてい決まっています。
  • 次に環境——距離・明るさ・手すり・服装。「間に合わない」の多くは、ここで解決します。
  • 急な失禁は受診——尿路感染や薬の影響が隠れていることがあります。
  • 用具は段階的に——布パンツ → リハビリパンツ → ポータブル → テープ式。一段飛ばししない。
  • パッドは重ねない——枚数ではなく、1枚の吸収量を上げる。
  • 制度を使う——ポータブルトイレは介護保険、おむつ代は医療費控除と自治体の助成。
  • 抱えない——排泄で潰れる家族を、私は何人も見ています。夜間だけでも、外に出してください。

排泄ケアは、親の尊厳と、あなたの生活の両方がかかっています。どちらかを犠牲にする必要は、ありません。

リハウルフ
完璧にやらなくていいんです。眠れる夜を確保することが、いちばんのケアです。

参考にした情報(公的機関)

※本記事の制度に関する内容は、2026年7月時点の情報にもとづいています。紙おむつの支給・助成は市区町村ごとに内容が異なります。最新の情報は、お住まいの市区町村・地域包括支援センター・税務署にご確認ください。

あわせて読みたい

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

リハウルフのアバター リハウルフ 理学療法士/ケアマネ

理学療法士(2010年取得・16年目)。通所リハビリ、訪問看護ステーション、訪問リハビリ、介護医療院、回復期リハビリ病棟で勤務。うち12年が在宅の現場で、訪問したお宅は1,000件を超えます。『リハコネ式!訪問リハのためのルールブック』監著・編集。2026年に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しました。

目次