親の介護が始まったら最初の30日にやることリスト|現役ケアマネが時系列で解説

「親が突然倒れた」「医師から退院後の介護が必要と言われた」──ある日突然、親の介護が現実になった時、家族は 何から手をつければいいか分からず、頭の中が真っ白 になります。私はケアマネとして、混乱状態のご家族と何百回も向き合ってきました。
実は、 介護開始の最初の30日 が、その後の介護の質を決める 最重要期間 です。この30日でやるべきことを順序立ててこなせば、介護がスムーズに立ち上がります。逆に、慌てて間違った順序で進めると、 何ヶ月もムダな時間を浪費 し、家族が疲弊してしまいます。
この記事では、現役ケアマネとして「最初の30日でやるべきこと」を、 Day1〜Day30の時系列 で完全解説します。 このリスト通りに進めれば、介護が確実に立ち上がります 。
まず深呼吸|30日かければ何とかなる
介護が始まった瞬間は、誰もがパニックになります。でも、 30日かければほぼすべての家庭で介護体制が整います 。「明日から完璧な介護を」と焦る必要はありません。
最初の30日でやることは、大きく4フェーズに分かれます。
| フェーズ | 期間 | やること |
|---|---|---|
| フェーズ1(緊急対応) | Day1〜3 | 医療体制の確立 |
| フェーズ2(情報収集) | Day4〜10 | 地域包括センター・要介護認定 |
| フェーズ3(体制構築) | Day11〜20 | ケアマネ選定・サービス調整 |
| フェーズ4(運用開始) | Day21〜30 | 介護スタート+兄弟会議 |
すべて1人で抱え込まず、 家族・地域包括支援センター・ケアマネ・医師 と連携しながら進めれば、必ず乗り越えられます。
フェーズ1|Day1〜3(緊急対応)
最初の3日は、 医療面の緊急対応 が中心です。
Day1|現状把握と情報整理
親の介護が始まった当日。まずは 現状を正確に把握 することから始めます。
具体的には、親の現在の状態(入院中・自宅・要介護度)、医師からの説明内容(病名・予後・必要な介護)、家族の連絡網(兄弟・配偶者)を確認します。 メモ帳1冊用意して全部書き留める のがおすすめ。「あの時、医師が何て言ったっけ」を防ぎます。
兄弟・配偶者にもこの段階で連絡。「お母さんが入院した、これから介護が必要になりそう」と早めに共有することで、 「自分だけが知らなかった」というトラブルを防げます 。
Day2|医療ソーシャルワーカー(MSW)に相談
入院中なら、 病院の医療ソーシャルワーカー(MSW) に必ず相談してください。MSWは退院後の介護体制を一緒に考えてくれる 無料の相談員 で、病院に必ず1人はいます。
MSWに伝えるべき情報は、家族構成・住居(同居/別居)・介護に使える時間・経済状況。MSWは退院後の 訪問看護・訪問診療・介護施設の選択肢 を提案してくれます。 「この病院ではどんな選択肢がありますか?」 と質問しましょう。
Day3|地域包括支援センターに連絡
親の住所地の 「地域包括支援センター」 に電話で連絡します。これが介護の 最初の重要な窓口 。
地域包括センターは 無料の介護相談窓口 で、要介護認定の申請サポート・ケアマネ紹介・介護サービス調整まで全部対応してくれます。「親の介護が始まりそうで、要介護認定を申請したい」と伝えれば、必要な手続きを一緒に進めてくれます。詳しくは「地域包括支援センターとは」記事を参照。
フェーズ2|Day4〜10(情報収集)
次の1週間は、 介護保険サービスを使うための準備 が中心です。
Day4|要介護認定の申請
地域包括センター経由で 要介護認定を申請 します。申請から認定まで 約30日 かかるので、できるだけ早く申請するのが鉄則です。
申請時には、 主治医意見書を書いてもらう医師 を指定します。普段から診てもらっているかかりつけ医がベスト。 市区町村の介護保険課 で申請(地域包括センター経由でOK)。詳しくは「要介護認定の申請方法」記事を参照。
Day5|介護費用のシミュレーション
要介護度が出るのを待つ間、 介護費用の試算 をしておきます。親の年金額・貯蓄を確認し、月の介護費用がいくらまで出せるかを把握します。
要介護度別の費用目安は、要支援2で月3〜5万円、要介護3で月10〜14万円、要介護5で月14〜20万円が在宅介護の場合。これを 親の年金内で賄えるかチェック しましょう。詳しくは「親の介護費用が不安_FP相談」記事を参照。
Day6〜7|兄弟・配偶者との家族会議
兄弟・配偶者と 家族会議 を開きます。介護を始めるにあたって、 役割分担と費用分担 を明確化することが超重要です。
会議で決めるべきは、誰が 主介護者 (メインで対応する人)になるか、 副介護者 (サブ)は誰か、 金銭的負担 はどう分けるか、 緊急時の連絡網 はどうするか。話し合いがもめがちなテーマなので、「兄弟がもめない話し合いマニュアル」記事も参考にしてください。
Day8〜9|介護用品・住宅環境の準備
退院前に 必要な介護用品・住宅環境 を整えます。介護ベッド・手すり・ポータブルトイレ・段差解消などが代表例。
すべて自分で買う必要はありません。 介護保険のレンタル (要介護2以上)で月数百円から借りられます。住宅改修も 20万円まで助成 が出るので、ケアマネ経由で申請できます。詳しくは「福祉用具レンタル完全ガイド」「介護リフォーム費用相場」記事を参照。
Day10|会社への報告と介護休業の検討
会社に介護開始を報告します。 介護休業 (最大93日)、 介護休暇 (年5日)、 時短勤務 など、利用できる制度を人事部に確認。
特に 介護休業給付金 は給与の67%が支給される制度で、活用しないと損です。詳しくは「介護休業の取り方」「介護離職を防ぐ7つの工夫」記事を参照。
フェーズ3|Day11〜20(体制構築)
要介護認定が出る前後の10日間は、 ケアマネ選定とサービス調整 が中心。
Day11〜13|ケアマネ事業所のリサーチ
要介護認定が出たら(要支援は地域包括センター、要介護は居宅介護支援事業所が担当)、 ケアマネを決める 必要があります。
地域包括センターに 「ケアマネ事業所のリスト」 をもらい、3〜5事業所をピックアップ。 複数の事業所に話を聞く のがおすすめです。詳しくは「ケアマネの選び方」記事を参照。
Day14〜15|ケアマネとの初回面談
候補の事業所と面談し、 担当ケアマネを決定 します。初回面談で確認すべきは、ケアマネの経験年数・専門分野・対応の柔軟性・価値観の合致。 相性が大事 な仕事なので、複数比較して決めてください。
Day16〜17|ケアプラン作成
担当ケアマネと ケアプラン (介護サービスの計画書)を作成します。週何回・どのサービスを使うかを決める重要な工程。
家族の希望(家族のレスパイト時間が欲しい・本人にリハビリを受けさせたい等)を 遠慮せず伝えてください 。ケアマネは家族の希望をベースにプランを作ります。詳しくは「ケアプランとは」記事を参照。
Day18〜19|サービス事業者との契約
ケアプランで決まったサービス事業者(訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタル等)と 個別に契約 します。ケアマネが調整してくれるので、家族は契約書にサインするだけ。
契約時は 重要事項説明書 をしっかり確認。料金・キャンセルルール・緊急時の対応を確認してください。
Day20|環境整備の最終チェック
サービス開始前に、 家の環境整備 を最終チェック。手すり設置・段差解消・ベッド搬入・ポータブルトイレなどが揃っているかを確認します。
ヘルパーや訪問看護師が来る部屋を 掃除+スペース確保 しておくと、初回訪問がスムーズです。
フェーズ4|Day21〜30(運用開始)
最後の10日は、 介護サービスの実際の運用と兄弟会議 が中心。
Day21〜23|介護サービス開始
ケアプランに沿って、 介護サービスが順次スタート します。最初の数回は付き添って様子を見ましょう。
ヘルパーや看護師との関係構築も大事。 「これからよろしくお願いします」 という挨拶を丁寧に。何か気になることがあったら、ケアマネ経由で調整可能です。
Day24〜25|利用後の振り返り
数日サービスを使ってみて、 「合うか合わないか」を振り返り ます。本人の表情・体調・家族の負担感を確認。
合わない場合は、 ケアマネに相談して調整 。事業者の変更も可能です。「最初に決めたら変えられない」ことはありません。
Day26〜27|兄弟への状況報告
家族会議で決めた連絡網に沿って、 兄弟に状況報告 します。「どんなサービスを使い始めたか」「本人の様子はどうか」「今月の費用はいくらだったか」を共有。
報告を習慣化 することで、後の「自分だけ知らなかった」トラブルを防げます。LINEグループでの定期報告がおすすめです。
Day28〜29|長期計画の検討
30日目を前に、 今後の長期計画 を検討します。
考えるべきは、いつまで在宅介護を続けるか、施設入居の可能性は、家族の働き方をどう調整するか、お金の見通しは。 施設情報の収集 だけは早めに始めるのがおすすめ。みんなの介護で資料請求して 「いざという時の選択肢」 を持っておきましょう。
Day30|30日間の総括と次月の計画
30日間お疲れさまでした。最後に 総括と次月の計画 を立てます。
うまくいったこと、改善が必要なこと、追加で必要なサービスを整理。ケアマネと 次月のケアプラン調整 をします。1ヶ月で介護のリズムが大体できあがります。
30日間でやってはいけない3つのこと
NG① 全部自分で抱え込む
「私が頑張らないと」と全部1人で抱え込むと、 介護うつまっしぐら 。地域包括センター・ケアマネ・MSWを最大限活用してください。
NG② 「とりあえず仕事を辞める」
慌てて仕事を辞めるのは厳禁。 介護休業・時短勤務・有給 を活用すれば、辞めずに乗り越えられるケースがほとんど。「介護離職を防ぐ7つの工夫」記事を参照。
NG③ 兄弟への報告を怠る
「あとで話せばいいや」が後のトラブルに。 最初から共有 することで、兄弟の協力を得やすくなります。
30日後|次に考えるべきこと
30日経って介護のリズムができたら、 長期戦の体制整備 を始めましょう。
考えるべきテーマは、施設入居の検討(みんなの介護で資料請求)、お金の最適化(FP相談)、家族のメンタルケア(介護うつ予防)、長期的なキャリア計画。 「介護を続けながら自分の人生も生きる」 バランスを考える時期です。
まとめ|30日のロードマップで介護を立ち上げる
介護開始は誰もが混乱しますが、 30日のロードマップに沿って進めれば必ず立ち上がります 。
🍀 介護開始30日5原則 ① Day3までに地域包括支援センターに連絡 ② Day4で要介護認定を申請 ③ Day10までに家族会議で役割分担 ④ Day20までにケアマネ+サービス調整 ⑤ Day30で次月の計画を立てる
迷ったら 「次の1日にやること」だけに集中 してください。30日後には介護体制が立ち上がっています。
施設情報の収集だけは早めに。みんなの介護で 無料の資料請求 をしておけば、いざという時の選択肢を持てます。