「介護保険って、結局どんなサービスが使えるの?」「うちの親に合うサービスは?」「費用はどれくらい?」──要介護認定が出たけれど、選べるサービスが多すぎて何がなんだか…という家族は本当に多いです。
私はケアマネジャーとして、ケアプランを作るときに毎回ご家族に「サービスの一覧」を説明します。全体像が分かれば、自分の親に合うサービスがすぐ選べる ようになります。
この記事では、介護保険で使えるサービス全15種類を、現役ケアマネが「内容・費用・向いている人」を1ページで全て解説します。
介護保険サービスの全体像|大きく4分類
介護保険で使えるサービスは、以下の4分類に分けられます。
① 訪問サービス(4種類) → 自宅に来てもらう
② 通所サービス(2種類) → 施設に通う
③ 短期入所サービス(2種類) → 短期間泊まる
④ 施設入所サービス(4種類) → 入居する
⑤ その他(3種類) → 福祉用具・住宅改修等
要介護度に応じて「月いくら分まで使えるか」の上限があり、その範囲内で複数を組み合わせます。
① 訪問サービス(自宅に来てもらう)
自宅で受けられる介護サービス。「家から出たくない」「外出が難しい」方向け。
訪問介護(ホームヘルプ)
ヘルパーさんが自宅に来て、入浴・排泄・着替え・食事・掃除・買い物などを手伝ってくれます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 身体介護20分 = 約170円/生活援助20分 = 約180円 |
| 時間 | 20分〜90分単位 |
| 向いている人 | 「ちょっとだけ手伝ってほしい」「自宅で過ごしたい」方 |
訪問看護
看護師が自宅に来て、医療的なケア(薬の管理・点滴・床ずれ処置・注射等)を行います。医師の指示書が必要。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 30分未満 = 約470円 |
| 時間 | 20〜90分 |
| 向いている人 | 医療的ケアが必要な方(持病あり・退院直後・終末期) |
訪問リハビリ
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が自宅に来て、リハビリを行います。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 20分 = 約310円 |
| 時間 | 20〜60分 |
| 向いている人 | 歩行訓練・嚥下訓練が必要な方/外出が難しい方 |
訪問入浴
専用の浴槽を持参してきて、自宅で入浴介助を行うサービス。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 1回 = 約1,250円 |
| 頻度 | 週1〜2回が一般的 |
| 向いている人 | 自宅の浴室で入浴が難しい方/寝たきりの方 |
② 通所サービス(施設に通う)
日中、施設に通って受けるサービス。家族のレスパイト(休息)にもなります。
デイサービス(通所介護)
日中、施設に通って入浴・食事・レクリエーションを楽しむ。送迎付き。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 要介護2で1日 = 約750円 |
| 時間 | 3〜7時間 |
| 向いている人 | 外出機会を作りたい方/家族のレスパイト目的 |
デイケア(通所リハビリ)
デイサービスに「リハビリ機能」が加わったサービス。医師がいる施設で行われます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 要介護2で1日 = 約880円 |
| 時間 | 3〜7時間 |
| 向いている人 | リハビリで身体機能を維持したい方 |
③ 短期入所サービス(短期間泊まる)
数日〜30日間、施設に泊まれるサービス。「ショートステイ」と呼ばれます。
短期入所生活介護(ショートステイ)
特養などの施設に短期間泊まれるサービス。家族の旅行・冠婚葬祭・体調不良時に使えます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 要介護2で1日 = 約700円+食費1,400円+居住費800円 |
| 期間 | 1〜30日 |
| 向いている人 | 家族のレスパイト/予防的に定期利用 |
短期入所療養介護
老健などの医療型施設に短期間泊まれるサービス。医療的ケアが必要な方向け。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 要介護2で1日 = 約820円+食費+居住費 |
| 期間 | 1〜30日 |
| 向いている人 | 医療的ケアが必要な方の家族レスパイト |
④ 施設入所サービス(入居する)
長期に渡って入居するサービス。介護度や状態によって選べる施設が違います。
特別養護老人ホーム(特養)
社会福祉法人が運営する公的施設。要介護3以上の方が対象。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額費用 | 8〜13万円 |
| 入居一時金 | なし |
| 要介護度 | 3〜5 |
| 向いている人 | 長期入居・経済性重視 |
注意:人気施設は数年待ちのことも。早めの申し込みを。
介護老人保健施設(老健)
医療ケア+リハビリ中心の施設。「在宅復帰のためのリハビリ施設」という位置づけ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額費用 | 9〜15万円 |
| 入居一時金 | なし |
| 要介護度 | 1〜5 |
| 期間 | 原則3〜6ヶ月(在宅復帰目標) |
介護医療院
医療依存度の高い高齢者向けの長期療養施設。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額費用 | 10〜20万円 |
| 入居一時金 | なし |
| 要介護度 | 1〜5(医療必要度高) |
| 向いている人 | 長期療養・医療ケア必須 |
認知症対応型グループホーム
認知症の方が少人数(5〜9人)で共同生活する施設。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額費用 | 12〜18万円 |
| 入居一時金 | 0〜数十万円 |
| 要介護度 | 要支援2〜要介護5 |
| 向いている人 | 認知症あり・家庭的な環境を希望 |
⑤ その他のサービス
サービス以外にも介護保険で使える支援があります。
福祉用具レンタル
介護ベッド・車椅子・歩行器・手すり・スロープなどを介護保険で安くレンタルできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金(1割負担) | 介護ベッド月800円〜/車椅子月600円〜 |
| 向いている人 | ほぼ全員(要支援含む) |
福祉用具購入費
入浴用品(シャワーチェア等)・ポータブルトイレなど、レンタルできない物品を購入したとき、年10万円まで支給。
住宅改修費
手すり設置・段差解消・トイレ改修などのリフォーム費用を、20万円まで介護保険で給付。「自己負担2万円で18万円分のリフォーム」 が可能。
要介護度別の利用上限額一覧
それぞれの介護度で、月いくらまでサービスが使えるかの上限です。
| 要介護度 | 月の利用上限額 | 1割負担なら |
|---|---|---|
| 要支援1 | 5万0,320円 | 月5,032円 |
| 要支援2 | 10万5,310円 | 月10,531円 |
| 要介護1 | 16万7,650円 | 月16,765円 |
| 要介護2 | 19万7,050円 | 月19,705円 |
| 要介護3 | 27万0,480円 | 月27,048円 |
| 要介護4 | 30万9,380円 | 月30,938円 |
| 要介護5 | 36万2,170円 | 月36,217円 |
この上限を超えた分は、全額自己負担 になります。ケアマネは上限内で最適なプランを組んでくれます。
サービス選びの3つのコツ
たくさんあるサービスから、どう選べばいいか。
コツ① 「家族が倒れない」を最優先に
ご本人の希望も大事ですが、介護する家族が持続可能 なプランが最優先。家族が倒れたら、本人も困ります。
コツ② 訪問・通所・短期入所をバランスよく
1種類だけに集中させず、3種類を組み合わせる のが鉄則。例:デイサービス3回/訪問介護2回/月1ショートステイ。
コツ③ 福祉用具と住宅改修を必ず使う
意外と使われていないのが、福祉用具レンタルと住宅改修。月数千円で生活が劇的に楽 になります。ケアマネに「使えるものは全部教えて」と頼みましょう。
介護保険外のサービスも組み合わせよう
介護保険では足りない部分は、介護保険外サービス で補います。
| サービス | 料金目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 宅配弁当 | 1食500〜800円 | やわらかダイニング・シニアあんしん相談室など |
| 家事代行 | 時間2,500〜3,500円 | ダスキン・カジー・タスカジなど |
| 見守りサービス | 月5,000円〜 | ALSOK・セコムなど |
| 介護タクシー | 片道3,000円〜 | 通院・外出時 |
これらは介護保険外なので全額自費ですが、家族の負担を大きく減らせます。
まとめ|サービスは「組み合わせ」で力を発揮する
介護保険サービスは、1種類だけではあまり効果が出ません。複数を組み合わせて初めて、家族が倒れない仕組み になります。
🍀 介護保険サービス活用の5原則 ① 訪問・通所・短期入所をバランスよく組み合わせる ② 福祉用具レンタル・住宅改修を必ず使う ③ 利用上限額を意識する(超えた分は全額自費) ④ 介護保険外サービス(宅配弁当等)も併用 ⑤ ケアマネに「使えるサービスを全部教えて」と頼む
迷ったら、まずケアマネに「うちに合うサービスの組み合わせは?」と相談を。プロが本人と家族の状況に最適なケアプランを組んでくれます。
