「特養と老健、どっちが入りやすい?」「有料老人ホームは特養とどう違うの?」「サ高住も気になるけど…」──施設探しを始めた家族が、必ずぶつかる「施設タイプの違いが分からない」問題。
私はケアマネジャーとして、ご家族から 「結局、どれを選べばいいの?」 という相談を毎週のように受けます。それぞれの施設には明確な役割と対象者があり、 「親の状態と希望」によってベストな選択が決まります 。
この記事では、現役ケアマネとして、3大施設タイプ(特養・老健・介護付き有料老人ホーム)に サ高住・グループホーム も加えて、5タイプを徹底比較します。
5つの施設タイプ|一目で分かる早見表
まずは全体像を表で。
| 項目 | 特養 | 老健 | 介護付き有料老人ホーム | サ高住 | グループホーム |
|---|---|---|---|---|---|
| 運営 | 社会福祉法人 | 医療法人 | 民間 | 民間 | 民間・NPO |
| 月額費用 | 8〜13万 | 9〜15万 | 15〜30万 | 13〜25万 | 12〜18万 |
| 入居一時金 | なし | なし | 0〜2,000万 | 0〜数十万 | 0〜数十万 |
| 要介護度 | 3〜5 | 1〜5 | 要支援2〜5 | 自立〜要介護 | 要支援2〜5 |
| 入居期間 | 終身 | 3〜6ヶ月 | 終身 | 終身 | 終身 |
| 医療体制 | △ | ◎ | ○ | △ | △ |
| 認知症対応 | ◎ | ○ | 施設による | △ | ◎◎ |
| 入居待ち | 長い | 短い | 短い | 短い | 地域により |
| 向いている人 | 安価で長期入居 | リハビリ希望 | 手厚いサービス希望 | 自立度高め | 認知症あり |
① 特別養護老人ホーム(特養)
公的施設の代表格。「とにかく安く長期入居したい」家族の第一選択。
特徴
- 社会福祉法人や自治体が運営する 公的施設
- 月額費用が 業界最安クラス
- 入居一時金なし
- 終身利用が可能(看取りまで)
- 要介護3以上が原則対象
月額費用の内訳
- 介護費(1割負担):2〜3万円
- 居住費:3〜6万円(多床室は安い、個室は高い)
- 食費:4万円
- 日常生活費:1〜2万円
- 合計:8〜13万円
メリット
- 長期入居でもコスパ最強
- 看取り対応OK(最期までいられる)
- 公的施設の安心感
デメリット
- 入居待ちが長い (都市部で1〜3年待ちも)
- 多床室(4人部屋)の場合、プライバシー少
- 医療依存度が高くなると退去になることも
向いている人
- 年金収入で長期入居したい
- 要介護3以上
- 認知症のある方
- 待っても良いから安く入りたい
② 介護老人保健施設(老健)
医療+リハビリで「在宅復帰を目指す」施設。
特徴
- 医療法人が運営
- 「在宅復帰のためのリハビリ施設」 という位置づけ
- 原則 3〜6ヶ月の利用 (長期入居ではない)
- 医師・看護師・リハビリ職が常駐
月額費用
- 介護費(1割負担):3〜4万円
- 居住費:4〜7万円
- 食費:4万円
- 合計:9〜15万円
メリット
- リハビリが手厚い
- 医療体制が充実(医師常駐)
- 入居待ちが比較的短い
デメリット
- 長期入居できない (3〜6ヶ月で退所)
- 入退所の繰り返しになることも
- 自宅復帰が難しい場合は次の施設探しが必要
向いている人
- 退院後にリハビリで自宅復帰を目指す
- 医療的ケアが必要
- 短期〜中期の利用希望
③ 介護付き有料老人ホーム
民間運営の高機能施設。「料金は高いが、手厚いサービス」を求める家族に。
特徴
- 民間が運営
- 施設のスタッフが介護サービスを提供 (特定施設入居者生活介護)
- 入居一時金は0〜数千万円まで幅広い
- 終身利用可能
- サービス内容のグレードが多様
月額費用
- 月額:15〜30万円(地域・グレードで差大)
- 入居一時金:0〜2,000万円
メリット
- 手厚い介護サービス
- 設備が充実(個室・浴室・レクリエーション)
- 認知症対応・看取り対応の施設多い
- 入居待ちが短い
デメリット
- 費用が高い
- 追加費用(医療・おむつ・理美容等)が月+5〜10万円かかることも
- 母体の経営状態によって倒産リスク
向いている人
- 経済的に余裕がある
- 手厚いサービスを希望
- すぐに入居したい
④ サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
「賃貸住宅+安否確認」のシニア向け住居。
特徴
- バリアフリー賃貸住宅
- 安否確認・生活相談サービス付き
- 介護サービスは外部の事業所と契約
- 自立〜要介護まで対象(施設による)
月額費用
- 家賃:8〜15万円
- 共益費・サービス費:3〜5万円
- 食費(任意):3〜5万円
- 介護保険サービス費:別途
- 合計:13〜25万円
メリット
- 賃貸契約なので途中解約しやすい
- 自由度が高い
- 入居一時金が安い
デメリット
- 介護サービスは別契約
- 重度になると対応できない施設も
- 看取り未対応の施設多い
向いている人
- 比較的元気な高齢者
- 一人暮らしの不安を解消したい
- 自宅は手放したいが施設は嫌
⑤ 認知症対応型グループホーム
認知症の方が少人数で家庭的に暮らす施設。
特徴
- 5〜9人の少人数共同生活
- 認知症ケアに特化
- 家庭的な雰囲気
- 地域密着型サービス(地域住民のみ入居可)
月額費用
- 月額:12〜18万円
- 入居一時金:0〜数十万円
メリット
- 認知症ケアの質が高い
- 家庭的な暮らし
- 少人数で目が届く
デメリット
- 医療依存度が高くなると退去
- 看取り対応の施設は限定的
- 地域住民しか入居できない
向いている人
- 認知症の診断あり
- 中重度の認知症
- 家庭的な環境を求める
結局、うちの親はどのタイプ?|選び方フローチャート
質問① 認知症の有無は?
認知症あり(中重度) → グループホーム
質問② リハビリで在宅復帰を目指す?
Yes → 老健
質問③ 経済的に余裕は?
月20万以上OK → 介護付き有料老人ホーム 月10〜15万までしか出せない → 特養(待つ覚悟あり)or サ高住
質問④ 入居までの期間は?
すぐに入居したい → 介護付き有料老人ホーム or サ高住 待っても良い → 特養
質問⑤ 要介護度は?
要介護3以上 → 特養が候補に 要介護2以下 → 有料老人ホーム or サ高住が現実的
施設選びの「順序」を間違えないで
施設選びでよくある失敗を3つ。
失敗① 特養だけに絞って待ち続ける
特養は1〜3年待ちもザラ。待っている間も「他の選択肢」を並行検討 することが大事。
失敗② 1施設だけ見て決める
施設タイプを問わず、最低3施設は資料請求&見学 が鉄則。
失敗③ 親本人の意向を確認しない
家族だけで決めると、入居後に拒否されることが多い。親本人と1度は見学 を。
効率的に施設を比較する方法
5タイプを横断的に比較できる 施設検索サイト が便利。
おすすめの比較サイト
みんなの介護
- 全国50,000件超
- 5タイプ全てを掲載
- 一括資料請求可能
- 電話なし指定OK
→ 詳しくは「みんなの介護の評判は?現役ケアマネが正直レビュー」記事も参照。
比較する時のチェック項目
- 月額費用と総額(3年・5年・10年)
- 追加費用の有無
- 認知症対応・看取り対応
- 医療体制
- スタッフの人員配置
- 食事の質
- 立地(家族のアクセス)
- レクリエーション内容
- 退去要件
- 母体の経営状態
詳しいチェックリストは「失敗しない老人ホームの選び方|17のチェックリスト」記事を参照。
まとめ|タイプの違いを理解すれば、選び方は明確
5つの施設タイプには明確な役割があります。「親の状態」「経済力」「希望期間」 で、ベストな選択は自然と見えてきます。
🍀 施設タイプ選びの5原則 ① 認知症あり→グループホーム ② リハビリ復帰→老健 ③ 経済力◎→介護付き有料老人ホーム ④ 安く長期→特養(待つ覚悟) ⑤ 元気で自由→サ高住
迷ったら、 複数施設の資料を一括請求 して、家族で比較するのが最速です。完全無料、電話連絡不要も指定できます。
